乳児期の授乳方法と、身長がいちばん伸びる時期(思春期)の関係(日本の全国調査)
Association between infant breastfeeding practices and timing of peak height velocity: A nationwide longitudinal survey in Japan
どんな研究?
01 — Summary日本の全国的な調査データ(子ども約1万3千人)で、赤ちゃんのときの授乳方法(母乳・ミルク・混合)と、思春期に身長がいちばん伸びる時期(成長スパートの年齢)との関係を調べた研究です。母乳で育った子どもは、ミルクで育った子どもよりも、身長がいちばん伸びる時期がやや遅い傾向がありました。母乳の期間が長いほど、その時期が遅くなる関係もみられました。
要点
02 — Key points- 01日本の約1万3千人を対象にした全国的な縦断調査
- 02母乳で育った子は、思春期の成長スパートの時期がやや遅い傾向
- 03母乳の期間が長いほど、その傾向が強かった
- 04男女ともにみられた(女の子でより明確)
観察研究のため、授乳方法が思春期の時期を決めると示すものではありません。時期の差はわずかで、成長には遺伝や栄養、生活習慣など多くの要因が関わります。授乳方法は各家庭の状況で選んでよいもので、この結果が母乳・ミルクの優劣を示すものではありません。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- 全国コホート(縦断調査)
- エビデンス強度
- コホート研究
- 掲載誌
- Pediatric Research
- 発表年
- 2023
- DOI
- 10.1038/s41390-023-02706-y
- 出典
- OpenAlex
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related授乳方法と日本の子どもの成長のパターン(全国調査の二次解析)
2023年の日本の全国調査データ(0〜5歳の子ども約8千人)を使い、赤ちゃんのときの授乳方法(母乳・ミルク・混合)によって、その後の身長・体重の伸び方に違いがあるかを調べた研究です。母乳で育った赤ちゃんは、最初の2年間は身長・体重がやや小さめでしたが、成長するにつれて差は縮まり、5歳ごろには授乳方法による体格の差はみられなくなりました。母乳だけでも長期的な成長に十分であることを示しています。
授乳のしかたと乳児の成長のパターン(日本のエコチル調査)
日本のエコチル調査の乳児約3万4千人を対象に、生後6か月時点の授乳方法(母乳・ミルク・混合)ごとに、3歳までの身長・体重・BMIの推移を比べた研究です。母乳の赤ちゃんは生後3〜4か月までは大きめに育ち、その後はゆっくりになりました。ミルク・混合の赤ちゃんは初期はゆっくりで、その後に急に追いつく成長(キャッチアップ)がみられました。急な追いつき成長は将来の体格に関わるため、成長の見守りが大切とされています。
乳児期の母乳と、その後の体格(茨城の子どもの20年追跡)
乳児期の授乳方法と、その後3〜22歳での体格との関係を、日本(茨城県)の子どもを20年追跡して調べた研究です。3歳の時点では、母乳で育った子どもはミルクの子どもより体重・過体重がやや少なめでした。しかし思春期以降では、授乳方法による体格の差ははっきりしなくなりました。母乳の体格への影響は、あっても幼児期までの小さなものと考えられます。