授乳方法と日本の子どもの成長のパターン(全国調査の二次解析)
Infant Feeding and Growth Patterns in Japanese Children: A Nationwide Secondary Analysis
どんな研究?
01 — Summary2023年の日本の全国調査データ(0〜5歳の子ども約8千人)を使い、赤ちゃんのときの授乳方法(母乳・ミルク・混合)によって、その後の身長・体重の伸び方に違いがあるかを調べた研究です。母乳で育った赤ちゃんは、最初の2年間は身長・体重がやや小さめでしたが、成長するにつれて差は縮まり、5歳ごろには授乳方法による体格の差はみられなくなりました。母乳だけでも長期的な成長に十分であることを示しています。
要点
02 — Key points- 012023年の日本の全国調査・約8千人を分析した二次解析
- 02母乳の赤ちゃんは最初の2年は身長・体重がやや小さめ
- 03成長とともに差は縮まり、5歳ごろには差がなくなる
- 04母乳だけでも長期的な成長に十分で、不要なミルクの足し増しはいらない
ある時点を切り取った横断的なデータの解析で、同じ子を追跡したものではありません。授乳方法は保護者の申告にもとづきます。赤ちゃんの体格には個人差が大きく、母乳児が小さめでも心配しすぎる必要はありません。発育に不安があるときは健診で相談してください。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- 全国横断調査(二次解析)
- エビデンス強度
- 観察研究
- 掲載誌
- Nutrients
- 発表年
- 2025
- DOI
- 10.3390/nu17223566
- 出典
- OpenAlex
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related妊娠初期・中期の母親のビタミンDと、生まれてから6歳までの子どもの成長の関連(中国のコホート研究)
中国の母子1,100組を追い、妊娠初期・中期の母親の血中ビタミンD濃度と、生まれてから6歳までの子どもの身長・体重の伸び方の関連を調べた研究です。母親のビタミンDが低い場合だけでなく高い場合にも、子どもの成長が不安定になりやすい傾向がみられ、関連は単純な右肩上がりではなく、ほどよい範囲があることが示唆されました。関連の出方は男女で異なりました。
植物中心の食事の家庭と雑食の家庭で、乳児の成長の経過を比べた研究
イスラエルの乳幼児健診のデータを使い、約120万人の赤ちゃんの身長・体重・頭囲の伸びを、家庭の食事(ヴィーガン・ベジタリアン・雑食)ごとに2歳まで追って比べた研究です。身長や成長の指標の差はどのグループでもごく小さく、低身長(発育の遅れ)の割合もほぼ同じでした。ただし生後まもない時期はヴィーガン家庭の赤ちゃんで体重が少なめの子がやや多く(オッズ比1.37)、この差は2歳までに見られなくなりました。著者らは、栄養環境の整った国では結果はおおむね安心できる内容だとしています。
乳児期の授乳方法と、身長がいちばん伸びる時期(思春期)の関係(日本の全国調査)
日本の全国的な調査データ(子ども約1万3千人)で、赤ちゃんのときの授乳方法(母乳・ミルク・混合)と、思春期に身長がいちばん伸びる時期(成長スパートの年齢)との関係を調べた研究です。母乳で育った子どもは、ミルクで育った子どもよりも、身長がいちばん伸びる時期がやや遅い傾向がありました。母乳の期間が長いほど、その時期が遅くなる関係もみられました。