吸う癖は子どもの中耳炎と関係する? システマティックレビューとメタアナリシス
Influence of potentially harmful sucking habits on otitis media in children: a systematic review and meta-analysis.
どんな研究?
01 — Summaryおしゃぶり・哺乳びん・指しゃぶりといった「吸う癖」が、子どもの中耳炎の起こりやすさと関係するかを調べた研究をまとめたものです。おしゃぶりを使う子は使わない子より中耳炎、とくに急性中耳炎にかかりやすい傾向がみられました。一方、指しゃぶりと中耳炎との明らかな関係は多くの研究でみられませんでした。
要点
02 — Key points- 01観察研究36件をまとめ、うち11件をメタアナリシスに使った。
- 02おしゃぶりを使う子は急性中耳炎にやや多くかかる傾向がみられた。
- 03哺乳びんと中耳炎には明らかな関係はみられなかった。
- 04指しゃぶりと中耳炎については、多くの研究で明らかな関係は報告されなかった。
- 05もとになった証拠の確からしさは「とても低い」と評価された。
もとになったのは観察研究で、関連がみられても原因と結果の関係を確かめたものではありません。研究によって方法や結果がばらつき、証拠の確からしさは「とても低い」と評価されています。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- システマティックレビュー・メタアナリシス(観察研究のまとめ)
- エビデンス強度
- メタアナリシス
- 掲載誌
- Brazilian oral research
- 発表年
- 2025
- DOI
- 10.1590/1807-3107bor-2025.vol39.115
- 出典
- Europe PMC
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Relatedおしゃぶり・指しゃぶり・口呼吸と、歯並びの乱れ(横断研究)
おしゃぶりや指しゃぶりなどの口のくせ、口呼吸が、子どもの歯並びの乱れ(不正咬合)と関係するかを、3017人の子どもで調べた研究です。これらの長く続くくせや口呼吸は、歯並びや、あごなど顔の骨の成長のパターンの乱れと関連していました。早めに気づいて対応することが、歯並びの予防・早期治療に役立つとされています。
授乳と「栄養を伴わない吸う癖」について知っておきたいこと
指しゃぶりなどの「栄養を伴わない吸う癖」と歯並びの関係を、これまでの知見からまとめた総説です。指しゃぶりは生後2〜3歳ごろまではよく見られる自然な行動で、子どもに安心感を与えるため、特に眠る前にみられると説明しています。3歳より前であれば歯への影響は小さく、前歯の位置が少し変わる程度にとどまることが多い一方、4歳ごろを過ぎても続くと、上の前歯が前に出る、かみ合わせが開く(開咬)、上あごが狭くなるといった変化につながりうるとしています。
中耳炎に関係する難聴と、環境・栄養・遺伝の要因(アラスカ先住民の子どもの研究)
アラスカの先住民の1〜4歳の子ども236人を対象に、家庭環境・栄養・遺伝が、中耳炎に関係する難聴とどう関わるかを調べた前向きの観察研究です。母乳をあげていた子どもは、中耳炎に関係する難聴が少ない傾向がみられました。一方、家庭に喫煙者がいることと中耳炎関連の難聴との間に、はっきりした悪い方向の関連はみられず、この集団ではむしろ難聴が少ない方向の数値も出ています。研究チームは、コロナ禍での実施など条件の影響もあり、結果は決定的ではないと述べています。