小児クリニックを受診した指しゃぶりの子ども82人を調べた研究(スリランカ)
A Study on Digit Sucking Among Children Presented to a Tertiary Care Paediatric Clinic in Sri Lanka.
どんな研究?
01 — Summary指しゃぶりで小児クリニックを受診した子ども82人の記録を振り返り、年齢や受診理由、家庭で試した対処法を調べた研究です。受診した子どもの多くは3歳未満で、生まれてからずっと癖が続いているケースが多く見られました。受診のいちばん多い理由は「将来の歯並びが心配」というもので、家庭では苦い液を塗る・おしゃぶりに替えるなどを試したものの、やめさせるのに成功した家庭はほとんどありませんでした。受診した子どもには、永久歯が生える前に癖は自然になくなることが多いと説明され、安心を促したと報告しています。
要点
02 — Key points- 01受診した子どもの多くは3歳未満で、生まれた時から癖が続く例が多かった。
- 02受診理由でいちばん多かったのは「将来の歯並びへの不安」だった。
- 03苦い液を塗るなど家庭で試した方法では、ほとんど卒業できなかった。
- 04永久歯が生える前に自然になくなることが多いと説明し、安心を促した。
これはクリニックを受診した子どもの記録を後から振り返った観察研究で、人数も少なく、心配して受診した家庭に偏っています。家庭での対処法が効かなかったという観察は、その方法が一律に無効だと証明するものではありません。海外の一施設のデータであり、結果をそのまま日本にあてはめることには注意が必要です。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- 後ろ向き横断研究(診療記録の調査)
- エビデンス強度
- 観察研究
- 掲載誌
- Cureus
- 発表年
- 2021
- DOI
- 10.7759/cureus.13306
- 出典
- Europe PMC
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related授乳と「栄養を伴わない吸う癖」について知っておきたいこと
指しゃぶりなどの「栄養を伴わない吸う癖」と歯並びの関係を、これまでの知見からまとめた総説です。指しゃぶりは生後2〜3歳ごろまではよく見られる自然な行動で、子どもに安心感を与えるため、特に眠る前にみられると説明しています。3歳より前であれば歯への影響は小さく、前歯の位置が少し変わる程度にとどまることが多い一方、4歳ごろを過ぎても続くと、上の前歯が前に出る、かみ合わせが開く(開咬)、上あごが狭くなるといった変化につながりうるとしています。
一卵性双生児で見た指しゃぶりの歯への影響:症例報告
遺伝も生活環境もほぼ同じ一卵性双生児のうち、一方だけに指しゃぶりの癖がある事例を比べた報告です。指しゃぶりを続けた子では、前歯のかみ合わせが開く(開咬)、上の前歯が前に出る、上あごの幅が狭いといった違いがみられました。遺伝の影響をそろえて比べているため、指しゃぶりそのものが歯並びに影響しうることを示す事例です。
おしゃぶり・指しゃぶり・口呼吸と、歯並びの乱れ(横断研究)
おしゃぶりや指しゃぶりなどの口のくせ、口呼吸が、子どもの歯並びの乱れ(不正咬合)と関係するかを、3017人の子どもで調べた研究です。これらの長く続くくせや口呼吸は、歯並びや、あごなど顔の骨の成長のパターンの乱れと関連していました。早めに気づいて対応することが、歯並びの予防・早期治療に役立つとされています。