指しゃぶりの癖がある子どもの歯とあごの特徴をレントゲンで調べた研究
Cephalometric Assessment of Dentoskeletal Characteristics in Children with Digit-sucking Habit.
どんな研究?
01 — Summary6〜12歳の子ども120人を、指しゃぶりの癖がある60人と癖がない60人に分け、横向きの頭部レントゲン(セファログラム)であごや歯の位置を測って比べた研究です。指しゃぶりの癖があるグループでは、前歯の傾きや上あご・下あごの位置を示すいくつかの測定値に、癖がないグループとの違いがみられました。研究者は、指しゃぶりが歯やあごの形に影響しうる要因の一つだと述べています。
要点
02 — Key points- 01指しゃぶりの癖がある子ども60人と癖がない子ども60人を比べた。
- 02横向きの頭部レントゲンで歯やあごの位置を細かく測定した。
- 03癖があるグループでは前歯の傾きやあごの位置にいくつかの違いがみられた。
- 04指しゃぶりは歯並び・あごの形に関わる要因の一つと考えられる。
これはある時点で2つのグループを比べた観察研究で、人数も多くありません。みられた違いは関連であって、指しゃぶりが原因でそうなったと断定するものではありません(逆に、もともとの口やあごの特徴が癖に関わっている可能性もあります)。対象は海外の子どもで、年齢の幅も広いため、結果をそのまま日本の幼児にあてはめることには注意が必要です。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- 横断研究(症例対照的な比較)
- エビデンス強度
- 観察研究
- 掲載誌
- International Journal of Clinical Pediatric Dentistry
- 発表年
- 2020
- DOI
- 10.5005/jp-journals-10005-1761
- 出典
- Europe PMC
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related一卵性双生児で見た指しゃぶりの歯への影響:症例報告
遺伝も生活環境もほぼ同じ一卵性双生児のうち、一方だけに指しゃぶりの癖がある事例を比べた報告です。指しゃぶりを続けた子では、前歯のかみ合わせが開く(開咬)、上の前歯が前に出る、上あごの幅が狭いといった違いがみられました。遺伝の影響をそろえて比べているため、指しゃぶりそのものが歯並びに影響しうることを示す事例です。
授乳と「栄養を伴わない吸う癖」について知っておきたいこと
指しゃぶりなどの「栄養を伴わない吸う癖」と歯並びの関係を、これまでの知見からまとめた総説です。指しゃぶりは生後2〜3歳ごろまではよく見られる自然な行動で、子どもに安心感を与えるため、特に眠る前にみられると説明しています。3歳より前であれば歯への影響は小さく、前歯の位置が少し変わる程度にとどまることが多い一方、4歳ごろを過ぎても続くと、上の前歯が前に出る、かみ合わせが開く(開咬)、上あごが狭くなるといった変化につながりうるとしています。
母乳育児と歯並び(かみ合わせ)の関係(システマティックレビュー)
母乳で育つことが、子どもの歯並び・かみ合わせ(咬合)の乱れと関係するかを、18件の研究をまとめて調べたシステマティックレビューです。母乳で育つことは、交叉咬合(上下の歯の横ずれ)などの一部の歯並びの乱れが少ないことと関連していました。母乳の期間が長いほどリスクが下がる傾向もみられました。