向きぐせによる頭の形のゆがみと、ヘルメット治療の効果(ランダム化比較試験)
Helmet therapy in infants with positional skull deformation: randomised controlled trial
どんな研究?
01 — Summary向きぐせなどでできる頭の形のゆがみ(位置的斜頭・絶壁)に対し、ヘルメット治療が自然経過より優れているかを、中等度〜重度の生後5〜6か月の赤ちゃん84人で調べたランダム化比較試験です。ヘルメットをつけたグループと、何もせず自然な経過を見たグループで、2歳半時点の頭の形の回復に差はありませんでした。一方、ヘルメットには皮膚のかぶれや痛み、装着のつらさなどの負担がありました。
要点
02 — Key points- 01中等度〜重度の頭の形のゆがみの赤ちゃん84人のランダム化比較試験
- 02ヘルメットありとなし(自然経過)で頭の形の回復に差はなかった
- 03ヘルメットには皮膚トラブルなどの負担があった
- 04多くの位置的斜頭は自然によくなる
対象は中等度〜重度の『向きぐせによる』ゆがみで、頭蓋骨が早く癒合する病気(頭蓋骨縫合早期癒合症)など治療が必要なものは別です。気になる場合は自己判断せず小児科に相談してください。向きを変える・うつぶせ遊び(タミータイム)などの予防的なケアが基本です。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- ランダム化比較試験
- エビデンス強度
- ランダム化比較試験
- 掲載誌
- BMJ
- 発表年
- 2014
- DOI
- 10.1136/bmj.g2741
- 出典
- Europe PMC
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related位置的斜頭にヘルメット治療は効果がある? システマティックレビューと治療指針の提案
向きぐせなどでできる頭の形のゆがみ(位置的斜頭)に対するさまざまな治療法の効果を、これまでの研究をまとめて評価したシステマティックレビューです。ヘルメット治療は、中等度〜重度の赤ちゃんで初期の頭の形の改善を早める傾向が見られましたが、自然経過や向きを変えるなどの方法と比べて、長期的にはっきり優れているとは示されませんでした。治療法による差は時間とともに小さくなる、と報告しています。
2歳未満の頭の形のゆがみの診断と手術によらない治療:オーダーメイドのヘルメットの試み
2歳未満の頭の形のゆがみのある子ども30人に、3Dスキャンで作ったオーダーメイドのヘルメットを1日23時間、約5か月装着してもらった研究です。装着後に左右の差が縮まり、頭の形や周囲径が年齢相応に近づいたと報告されています。ただし比較するグループ(何もしない群)がないため、自然経過との違いは分かりません。
ヘルメット治療を受けた位置的斜頭の子で、頭囲の伸びが小さくなった
位置的斜頭でヘルメット治療を受けた赤ちゃん約240人について、治療の前後で頭囲(頭の周りの長さ)の伸び方を調べた観察研究です。治療後に頭囲のパーセンタイル(標準的な伸びと比べた位置)が中央値で50から25へと下がっていました。頭の中の圧が高まるような症状は見られず、発達は年齢相応でしたが、この変化の臨床的な意味を確かめるにはより長期で大規模な追跡が必要だとしています。