母親の摂食障害と子どもの呼吸器の症状(EUの子どもコホート連携の研究)
Maternal eating disorders and respiratory outcomes in childhood: findings from the EU Child Cohort Network.
どんな研究?
01 — Summaryヨーロッパの7つのコホート、母子13万組以上のデータをまとめて、妊娠前の母親の摂食障害と子どもの呼吸器の症状の関連を調べた研究です。妊娠前に摂食障害があった母親の子どもでは、就学前の喘鳴や学童期のぜんそくがやや多い傾向がみられました。母親のうつや不安を除いても関連は残りました。あくまで関連であり、摂食障害が直接ぜんそくを起こすと示したものではありません。
要点
02 — Key points- 01母子13万組以上を解析した大規模なまとめ。
- 02母親の妊娠前の摂食障害と、子どもの就学前の喘鳴・学童期のぜんそくがやや多いことが関連していた。
- 03母親のうつや不安を除いても関連の向きは変わらなかった。
- 04摂食障害の種類(拒食・過食)による違いは小さく、曝露の時期による明確な差はみられなかった。
観察研究をまとめたもので、関連を示すにとどまり、原因と結果(因果)の証明ではありません。研究間のばらつきもあり、背景にある別の要因の影響を完全には除けません。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- 観察研究(コホート)をまとめたメタアナリシス
- エビデンス強度
- メタアナリシス
- 掲載誌
- Thorax
- 発表年
- 2026
- DOI
- 10.1136/thorax-2025-223718
- 出典
- Europe PMC
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related乳幼児期の呼吸器感染症と子どものぜんそくの関連:メタアナリシスの視点から
乳幼児期のさまざまな経験とぜんそくや喘鳴の関係を調べた51件の研究を集めて、数値をまとめたメタアナリシスです。乳幼児期に呼吸器のウイルス感染にかかった子は、後に喘鳴やぜんそくになりやすい傾向がみられました。アレルゲンへの反応や環境要因も関連した一方、妊娠中の栄養対策やプロバイオティクスでは効果ははっきりしませんでした。
先住民の子ども・若者の喘鳴に関係する要因(世界の研究の系統的レビュー)
世界各地の先住民の子ども・若者を対象に、喘鳴に関係する要因を17の研究(参加者14万人弱)からまとめたレビューです。たばこの煙や室内の汚染、住環境といった環境の要因、収入や医療へのアクセスといった社会経済の要因、性別や出生体重、感染、アレルギーといった生物・臨床の要因が、喘鳴と関連していました。喘鳴の要因は一つではなく、複数が重なって関わると考えられています。
妊娠中の環境と子どものぜんそく:腸内細菌が橋渡しをする可能性
妊娠中のさまざまな環境(ペットとの接触、出産のしかた、抗菌薬の使用、母親の食事など)と、子どものぜんそくとの関連を、腸内細菌の役割に注目して8つの研究からまとめたレビューです。妊娠中にペットがいると子どもの腸内細菌が変わり、ぜんそくを起こしにくくなる可能性が示されました。一方、抗菌薬の使用や帝王切開はぜんそくが多いことと関連していました。腸内細菌がこれらの関連の橋渡しをしているかもしれないと考えられています。