122か国で子どもの低身長(発育不良)はどう減ってきたか:19世紀からの成長研究のまとめ
The decline of child stunting in 122 countries: a systematic review of child growth studies since the 19th century.
どんな研究?
01 — Summary栄養不足の指標である子どもの低身長(発育不良=スタンティング)が、世界の歴史の中でどう変わってきたかを、900以上の過去の成長研究をまとめて調べた研究です。世界の低身長の割合は1985年の約47%から2022年の約22%へと大きく減りました。いまの高所得国でも、昔は子どもの低身長が多かったことが示されています。
要点
02 — Key points- 01子どもの低身長は世界的に大きく減ってきた
- 02現在の高所得国でも、過去には低身長が多かった
- 03122か国・900件以上の成長研究をまとめた大規模なレビュー
過去の研究は調査方法や対象が国・時代によってばらばらで、正確に比べるのは難しいという限界があります。身長は栄養だけでなく病気や生活環境など多くの要因で決まります。この研究は世界全体の傾向を示すもので、個々の子どもの成長を評価するものではありません。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- システマティックレビュー
- エビデンス強度
- メタアナリシス
- 掲載誌
- BMJ Global Health
- 発表年
- 2026
- DOI
- 10.1136/bmjgh-2024-018607
- 出典
- Europe PMC
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related栄養・健康への対策は子どもの栄養不足にどう効くか(システマティックレビューの総覧)
2018〜2023年に発表された栄養対策に関するシステマティックレビュー・メタアナリシス46件をまとめて整理した研究です。低身長(スタンティング)・低出生体重・貧血など栄養不足の改善に対し、栄養対策が効果を示すという比較的しっかりした根拠があると報告しています。ただし、根拠の多くは試験(介入研究)から得られたもので、それを実際に大規模に広め、続けていくことには課題が残るとしています。
子どもの低身長(発育の遅れ)を減らす栄養対策の効果(システマティックレビュー)
栄養不足による子どもの発育の遅れ(低身長=スタンティング)を、生後1000日(妊娠〜2歳)までの栄養対策で改善できるかを、13件の研究をまとめて調べた研究です。栄養を補う食品や強化食品などの対策は、身長の伸びをわずかに改善し、低身長の割合を下げることと関連していました。とくに早い時期から始めるほど効果が大きい傾向がありました。
食料価格の上昇は、低・中所得国の子どもの栄養状態や死亡とどう関係するか(システマティックレビュー)
食料の値上がりが、低・中所得国の子どもの栄養状態や死亡とどう関係するかを調べた18件の研究(多くは繰り返し横断調査やパネル調査)をまとめたレビューです。18件中16件で、食料価格が高いほど低身長(スタンティング)ややせ、低出生体重などの悪い栄養状態が増える関連が報告されました。栄養のとれる食べ物を買えるかどうかが、子どもの発育に関わることを示唆しています。