食料価格の上昇は、低・中所得国の子どもの栄養状態や死亡とどう関係するか(システマティックレビュー)
Impacts of rising food prices on nutritional outcomes and mortality of children in low and middle-income countries: a systematic review.
どんな研究?
01 — Summary食料の値上がりが、低・中所得国の子どもの栄養状態や死亡とどう関係するかを調べた18件の研究(多くは繰り返し横断調査やパネル調査)をまとめたレビューです。18件中16件で、食料価格が高いほど低身長(スタンティング)ややせ、低出生体重などの悪い栄養状態が増える関連が報告されました。栄養のとれる食べ物を買えるかどうかが、子どもの発育に関わることを示唆しています。
要点
02 — Key points- 01低・中所得国を対象に18件の研究をまとめたシステマティックレビュー
- 02食料価格が高いほど低身長・やせ・低出生体重が増える関連
- 03栄養のとれる食べ物が買えるかどうかが発育に関わると示唆
- 04幼い子どもや都市部の子どもで影響が大きいとする報告もある
これは観察研究をまとめたもので、関連を示すものであり因果関係を確かめたものではありません。対象は栄養不足の課題が大きい低・中所得国であり、栄養が足りている日本の子どもにそのまま当てはまるわけではありません。研究ごとに調べ方や指標が異なります。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- システマティックレビュー(観察研究のまとめ)
- エビデンス強度
- メタアナリシス
- 掲載誌
- BMJ Global Health
- 発表年
- 2026
- DOI
- 10.1136/bmjgh-2024-016583
- 出典
- Europe PMC
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related栄養・健康への対策は子どもの栄養不足にどう効くか(システマティックレビューの総覧)
2018〜2023年に発表された栄養対策に関するシステマティックレビュー・メタアナリシス46件をまとめて整理した研究です。低身長(スタンティング)・低出生体重・貧血など栄養不足の改善に対し、栄養対策が効果を示すという比較的しっかりした根拠があると報告しています。ただし、根拠の多くは試験(介入研究)から得られたもので、それを実際に大規模に広め、続けていくことには課題が残るとしています。
5歳未満の低身長を減らすには(東南アジアの政策・取り組みの総説)
東南アジアで今も課題となっている子どもの低身長(スタンティング)について、各国の政策や取り組みを整理した総説です。低身長は、生後1000日までの栄養不足や感染の繰り返しから起きるとし、母乳育児の推進や栄養補給など、栄養に直接働きかける対策と、生活環境を整える対策の両方が行われていると紹介しています。社会・経済の格差や、取り組みの調整・監視の難しさが課題として残るとしています。
妊娠・授乳・幼児期の複数微量栄養素の補充と、4〜14歳の認知発達(ランダム化比較試験のシステマティックレビュー)
妊娠中・授乳期・幼児期に複数の微量栄養素(MMN)を補充すると、後の子どもの認知発達によい影響があるかを、ランダム化比較試験10件をまとめて調べたレビューです。多くの研究では明確な差は見られませんでしたが、一部の大規模試験では記憶や知能の指標がわずかに高まる可能性が示されました。研究の多くは栄養が不足しがちな低・中所得国で行われています。