糖尿病の母親から生まれた子どもの肥満・血糖の問題(システマティックレビュー・メタアナリシス)
Obesity and abnormal glucose tolerance in offspring of diabetic mothers: A systematic review and meta-analysis
どんな研究?
01 — Summary妊娠中に血糖が高かった母親(妊娠糖尿病や1型・2型糖尿病)から生まれた子どもが、その後に太りやすかったり血糖の調節に問題が出やすかったりするかを、20件の観察研究(子ども約2万6千人)をまとめて調べた研究です。妊娠糖尿病の母親の子どもは、子ども時代のBMI(体格の指標)がやや高めの傾向がありました。母親の妊娠中の血糖管理が、子どもの将来の体格や代謝にも関わる可能性を示しています。
要点
02 — Key points- 0120件の観察研究(子ども約2万6千人)をまとめたメタアナリシス
- 02妊娠糖尿病の母親の子どもは、子ども時代のBMIがやや高めの傾向
- 031型糖尿病の母親の子どもでも体格が高めの傾向
- 04母親の妊娠中の血糖管理が子どもの将来にも関わる可能性
観察研究のまとめで、根拠の質は「低い」と評価されており、母親の血糖が子どもの肥満を直接引き起こすと示すものではありません。効果の差は小さく、家庭の食生活や遺伝など多くの要因が関わります。妊娠中の血糖については主治医の管理のもとで対応してください。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- システマティックレビュー・メタアナリシス(観察研究のまとめ)
- エビデンス強度
- メタアナリシス
- 掲載誌
- PLoS ONE
- 発表年
- 2018
- DOI
- 10.1371/journal.pone.0190676
- 出典
- OpenAlex
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related妊娠糖尿病と関連する子どもの肥満に関する研究の進展(総説)
妊娠糖尿病(妊娠中に血糖が高くなる状態)と、生まれた子どもの肥満リスクの高まりとの関連を整理した総説です。これまでの研究をまとめると、妊娠糖尿病の母親の子どもは子ども時代に肥満になりやすい傾向があり、その影響は成長を通じて続きうると述べています。子どもの肥満の原因は多くの要因が重なるため、妊娠中からの管理や子どもの成長に合わせた対策が大切だとしています。
妊娠前の肥満・妊娠糖尿病と、生まれてから6歳までの子どものBMIの変化(GrownB研究)
妊娠前に太りぎみ・肥満だった母親の子どもと、ふつうの体重だった母親の子どもで、生まれてから6歳までのBMI(体格の指標)の変化を約2万人のデータで比べました。妊娠前に太りぎみ・肥満だった母親の子どもは、0〜2歳でも2〜6歳でもBMIがやや高めに推移する傾向が見られました。一方、妊娠糖尿病があったかどうかでは、はっきりした差は見られませんでした。
妊娠糖尿病だった母親から生まれた子どもの、将来の糖尿病リスク(韓国の全国コホート)
韓国の全国データ(母子約350万組)で、妊娠糖尿病だった母親から生まれた子どもが、その後(最長14年)に1型・2型糖尿病になりやすいかを調べた研究です。妊娠糖尿病があった母親の子どもは2型糖尿病のリスクが高く、とくに妊娠中にインスリン治療を必要とした重めのケースでは、1型・2型ともにリスクが高い傾向がありました。