子どものベジタリアン食と栄養のとり方・健康・栄養状態(システマティックレビュー)
Vegetarian Diet and Dietary Intake, Health, and Nutritional Status in Infants, Children, and Adolescents: A Systematic Review.
どんな研究?
01 — Summary高所得の国の子どもや思春期について、ベジタリアン食と雑食を比べた20件の研究を決まった手順で集めて整理したレビューです。ベジタリアンの子は食物繊維が多く、炭水化物からのエネルギーが多めで、ビタミンCやE・鉄・葉酸・マグネシウムのとり方が良い傾向がうかがえました。一方で、ビタミンB12とビタミンDのとり方が少なめになりやすいことが、注意すべき点として挙げられています。著者らは、長く追う前向きの研究がさらに必要だとしています。
要点
02 — Key points- 01高所得国の子ども・思春期を対象にした20件の研究をまとめたシステマティックレビュー
- 02ベジタリアンの子は食物繊維が多く、たんぱく質も十分とれている傾向
- 03ビタミンCやE・鉄・葉酸・マグネシウムのとり方が良い可能性
- 04ビタミンB12とビタミンDのとり方が少なめになりやすい点に注意
- 05結論を確かにするには長期の前向き研究が必要とされる
もとになっているのは観察研究が中心で、ベジタリアン食そのものが健康や栄養状態を良くする原因だとは断定できません(関連であり因果ではない)。研究によって子どもの年齢や調べ方がそろっていません。高所得国のデータで、日本の子どもにそのまま当てはまるとは限りません。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- システマティックレビュー(観察研究のまとめ)
- エビデンス強度
- メタアナリシス
- 掲載誌
- Nutrients
- 発表年
- 2025
- DOI
- 10.3390/nu17132183
- 出典
- Europe PMC
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related乳児・子ども・思春期のヴィーガン食と栄養状態(欧州小児消化器栄養学会の見解)
ヨーロッパの小児栄養の専門家グループ(ESPGHAN)が、子どものヴィーガン(完全菜食)について手順を決めて文献を集め直し、雑食の子と比べたときの成長・栄養・血液検査を整理したものです。約1500人のヴィーガンの子どもを含む研究を見たところ、身長やBMIの指標に雑食の子との大きな差は見られませんでした。一方で、ヴィーガンが子どもの成長を十分に支えられるかは今ある証拠だけでは結論できないとし、たんぱく質・オメガ3・カルシウム・鉄に気を配り、ビタミンB12などを必ず補うこと、成長と栄養状態を定期的に確認することをすすめています。
ベジタリアン・ヴィーガン・雑食の子どものセレン・亜鉛・銅のとり方と体内の状態(VeChi Youth研究)
ドイツの6〜18歳の342人(ヴィーガン86人、ベジタリアン120人、雑食118人)を対象に、セレン・亜鉛・銅のとり方と血液中の値を調べた横断研究です。これらは主に動物性食品からとる栄養素のため、ヴィーガンとベジタリアンの子はセレンと亜鉛のとり方が少なめで、血液中のセレンと亜鉛の値も雑食の子より低い傾向が見られました。銅については食事や血液の値に大きな差はありませんでした。著者らは、菜食の子どもではこれらの栄養素の状態を見守る必要があるとしています。
子どもの便秘に対する薬を使わない方法の効果と安全性(システマティックレビュー・メタアナリシス)
子どもの便秘(機能性便秘)に対して、薬を使わない方法(食事の工夫、生活指導、骨盤底の運動、電気刺激など)がどれくらい役立つかを、93件のランダム化比較試験(約7800人)をまとめて検討したものです。多くの方法は研究の質が低く、はっきりした結論を出せませんでした。一部の方法(おなかへの電気刺激と骨盤底の運動の組み合わせなど)では、排便の成功や回数が改善する可能性が示されましたが、研究のばらつきや報告の不十分さが目立ちました。