妊娠中と乳幼児期の口の健康についての、母親の知識:システマティックレビュー
Maternal Knowledge of Oral Health During Pregnancy and Early Childhood: A Systematic Review.
どんな研究?
01 — Summary妊婦が自分や子どもの口の健康についてどれくらい知っているかを調べた26件の研究をまとめたレビューです。多くの妊婦で、乳幼児のむし歯予防や、いつから歯みがきを始めるか、最初の歯科受診の時期などについての知識が十分でないと報告されました。むし歯の原因菌が赤ちゃんにうつることへの理解も乏しく、妊娠期からの口の健康教育の必要性を指摘しています。
要点
02 — Key points- 01妊婦の口の健康に関する知識を調べた26件の研究をまとめたレビュー
- 02乳幼児のむし歯予防についての知識が十分でない妊婦が多い
- 03歯みがき開始や最初の歯科受診の時期を知らない人が多い
- 04原因菌が赤ちゃんにうつることへの理解も乏しい
- 05妊娠期からの口の健康教育の必要性を指摘
もとになったのは横断研究などの観察研究が中心で、知識の高さと実際のむし歯の少なさの因果関係を示すものではありません。質問票の作り方が研究ごとに大きく異なり、結果の比較が難しい点も限界です。英語など一部の言語の研究に限られています。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- システマティックレビュー(観察研究のまとめ)
- エビデンス強度
- メタアナリシス
- 掲載誌
- Journal of clinical and experimental dentistry
- 発表年
- 2026
- DOI
- 10.4317/jced.63650
- 出典
- Europe PMC
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related濃度の違うフッ素入り歯みがき粉と、むし歯予防(コクランのレビュー)
フッ素入りの歯みがき粉が子どものむし歯を防ぐかを、1年以上追跡したランダム化比較試験をまとめたコクランのレビューです。フッ素入りの歯みがき粉でみがくことは、フッ素なしに比べてむし歯をはっきり減らし、濃度が高いほど予防効果が大きいことが示されました。ただし濃度が高すぎると、発達中の歯に白い斑点(歯のフッ素症)が出るリスクもあります。
フッ素塗布(フッ素バーニッシュ)と子どものむし歯予防(コクランのレビュー)
歯科などで歯の表面に塗るフッ素(フッ素バーニッシュ)が、子ども・思春期のむし歯を防ぐかを、ランダム化比較試験をまとめたコクランのレビューです。フッ素の塗布は、乳歯・永久歯のどちらでも、むし歯を有意に減らす効果が示されました。フッ素入り歯みがきと並ぶ、確かなむし歯予防の方法の一つです。
母親の摂食障害と子どもの呼吸器の症状(EUの子どもコホート連携の研究)
ヨーロッパの7つのコホート、母子13万組以上のデータをまとめて、妊娠前の母親の摂食障害と子どもの呼吸器の症状の関連を調べた研究です。妊娠前に摂食障害があった母親の子どもでは、就学前の喘鳴や学童期のぜんそくがやや多い傾向がみられました。母親のうつや不安を除いても関連は残りました。あくまで関連であり、摂食障害が直接ぜんそくを起こすと示したものではありません。