保育園で野菜にふれる機会を増やす取り組み「Yes to Veg!」の評価(準実験研究)
Evaluation of the Yes to Veg! Programme, a Food Systems Approach to Increase Vegetable Exposure and Agency in Pre-School Age Children: A Quasi-Experimental Study.
どんな研究?
01 — Summaryスコットランドの恵まれない地域の保育園11園で、週1回新鮮な野菜を活動に取り入れる4週間の取り組み「Yes to Veg!」を、何もしない園と比べた準実験研究です。子どもが試した野菜の種類や食べる量は、取り組みをした園としない園で大きな差は見られませんでした。一方で、家で野菜の話をしたり家でも食べてみようとする様子が増えるなど、野菜への関心や親しみは高まったと報告されています。
要点
02 — Key points- 01保育園11園での4週間の取り組みを比べた準実験研究
- 02試した野菜の種類や食べる量には大きな差が出なかった
- 03野菜への関心や親しみ(家で話す・試そうとする)は高まった
- 04短い期間ですぐに摂取量を変えるのは難しいことを示す
ランダムに割り付けていない準実験で、最後まで回答できた親子が57組と少なく、結果は偶然や偏りの影響を受けやすいです。観察された関連は因果関係を示すものではありません。期間も4週間と短く、特定の地域の結果のため日本にそのまま当てはまるとは限りません。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- 準実験研究(ランダム化なしの比較)
- エビデンス強度
- 観察研究
- 掲載誌
- Maternal & Child Nutrition
- 発表年
- 2026
- DOI
- 10.1111/mcn.70145
- 出典
- Europe PMC
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related保育園・学校などの集団の場で果物・野菜を取り入れて子どもの食事を改善する(スコーピングレビュー)
保育園や学校など、子どもが集団で過ごす場で果物・野菜の摂取を増やす取り組みを幅広く集めて整理したレビューです。3〜7歳を対象に、高所得国で2012年以降に発表された114件の研究を取り上げています。くり返し出す(反復暴露)、食べ方を見せて手本になる(行動モデリング)、感覚を使った遊びなど、さまざまな方法が使われており、なかでも手本を見せることや感覚遊びの取り組みが成功しやすい傾向が報告されています。
5歳以下の子どもの果物・野菜の摂取を増やす働きかけ(システマティックレビュー/メタアナリシス)
5歳以下の子どもの果物・野菜の摂取を増やすための働きかけを調べた、53件のランダム化比較試験(約1万2千人分)をまとめたコクランのレビューです。同じ野菜をくり返し出すなどの食べさせ方の工夫は、野菜の摂取をわずかに増やす効果がありそうだと報告されています(1日あたり生野菜にして約15.5g、確実性は中程度)。保育園などでの複数の取り組みを組み合わせた働きかけも小さな効果がありそうですが、保護者への栄養教育だけでは効果はほとんど見られませんでした。
「行動のしくみ」を使った働きかけは、子どもの食事を改善する?(システマティックレビュー)
子どもがより健康的に食べられるように、人の「行動のしくみ」(ナッジ=そっと後押しする工夫)を使った取り組みが効果的かを、137件の取り組みをまとめて調べた研究です。こうした工夫の約7割で、子どもの食事に良い変化がみられました。とくに効果的だったのは、ごほうび(インセンティブ)、初期設定を健康的なものにする(例:標準を野菜つきにする)、置き場所など環境を変える工夫でした。一方、情報を伝えるだけの方法は最も効果が小さいものでした。