夫婦を対象にした母乳育児の推進・支援が子どもの病気を減らすか:エチオピア中部のクラスターランダム化比較試験
Effectiveness of Couple-Based Optimal Breastfeeding Promotion and Support Interventions on Child Morbidity in Central Ethiopia: A Cluster-Randomized Controlled Trial.
どんな研究?
01 — Summaryエチオピア中部で、夫婦408組を介入群と対照群にランダムに分け、母乳育児の教育・支援が子どもの病気の頻度に与える影響を調べた試験です。介入群では父親と母親の両方が母乳育児の教育と支援を受けました。生後6か月までの追跡で、介入群の子どもは下痢・発熱・呼吸器の病気の発生が少ない傾向がみられました。
要点
02 — Key points- 01夫婦408組を対象にしたクラスターランダム化比較試験。
- 02父親も含めた母乳育児の教育・支援を行った群と、通常ケアの群を比較。
- 03介入群で下痢・発熱・呼吸器の病気の発生が少ない傾向がみられた。
- 04母乳育児を促す支援そのものを介入として割り当てたデザイン。
エチオピア中部という特定の地域で行われた研究で、医療や生活の環境が日本と大きく異なるため、結果をそのまま当てはめることはできません。比べているのは「母乳育児を促す支援」であり、母乳そのものの効果を直接測ったものではない点にも注意が必要です。報告された効果の幅は大きく、単一の試験である点も限界です。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- クラスターランダム化比較試験
- エビデンス強度
- ランダム化比較試験
- 掲載誌
- Health science reports
- 発表年
- 2026
- DOI
- 10.1002/hsr2.71856
- 出典
- Europe PMC
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related母乳育児と5歳未満の子どもの入院リスク:システマティックレビューとメタアナリシス
16件のコホート研究(約278万人)をまとめ、母乳育児と5歳未満の子どもの入院との関連を調べた研究です。完全母乳の子どもは、呼吸器感染による入院がどの年齢層でも少ない傾向がみられ、特に生後1年未満で関連が強い結果でした。一方、胃腸の感染による入院については、母乳の子どもで少ない傾向はあったものの、はっきりした差とは言えませんでした。
母乳由来成分だけの食事を長く続けることと、極低出生体重児の脳の発達との関係(NEOVASC試験の付随解析)
とても早く生まれた赤ちゃん(在胎32週未満、出生体重500〜1250g)を対象に、母乳だけを使った食事(強化剤も母乳由来)を生後36週相当まで長く続けた場合と、32週相当で牛乳由来の強化剤やミルクに切り替えた場合を比べた、ランダム化比較試験の追加解析です。脳のMRI画像の指標や運動の発達を調べました。全体として、長く続けたグループとそうでないグループの間で、脳の発達や運動の成績にはっきりした差は見られませんでした。一部の時点の運動評価では差がありましたが、他の時点では差がありませんでした。
複数の菌を含むプロバイオティクスと、保育施設の子どものよくある感染症:ランダム化比較試験
保育施設に通う子ども118人を、5種類の菌を含むプロバイオティクスを飲むグループと、見た目が同じ偽薬を飲むグループに無作為に分けて、24週間くらべた研究です。研究の後半では、おなかの感染症(胃腸炎など)が偽薬より少ない傾向が見られましたが、効果が出るまでに8週間ほどかかりました。一方、呼吸器の感染(かぜなど)には差が見られませんでした。