母乳育児は、子どもの感染症(下痢・肺炎・中耳炎)を減らす?
母乳で育った子どもは、呼吸器の感染症や中耳炎、下痢などの感染症が少ない傾向が報告されています。特に呼吸器感染や生後1年未満で関連が比較的はっきりしています。ただし多くは観察研究で、効果を直接示した試験は生活環境の異なる地域のものが中心のため、日本にそのまま当てはまるかは慎重にみる必要があります。母乳・ミルクの選択は家庭の事情によるものです。
母乳育児を促す支援のランダム化比較試験で子どもの病気が減る傾向が示され、大規模なコホート研究のまとめでも呼吸器感染による入院が少ない傾向が一貫している。一方、その試験は生活環境の異なる国(エチオピア)で行われ非直接性があり、コホートのまとめは観察研究中心のため、確実性は「中」とした。
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プロバイオティクスは、子どもの感染症(かぜ・下痢)を防ぐ?
ある種のプロバイオティクスは、子どもの下痢が続く期間を短くしたり、かぜや下痢の回数を減らしたりする可能性が、ランダム化比較試験やそのまとめで示されています。ただし効果は大きくなく、使う菌の種類によって結果が異なり、呼吸器の感染(かぜ)では効果がはっきりしない研究もあります。万能の予防法ではないため、使う前に医師に相談してください。
吸う癖(おしゃぶり・指しゃぶり・哺乳びん)は、子どもの中耳炎と関係する?
おしゃぶりを使う子は中耳炎(とくに急性中耳炎)にややかかりやすい傾向が報告される一方、指しゃぶりでは明らかな関連はみられません。観察研究が中心で、確からしさは低めです。
授乳のしかた(母乳・ミルク)は、子どもの成長のしかたと関係する?
母乳で育った子はミルクの子と成長のしかた(伸びる時期やペース)がやや違う傾向がみられますが、幼児期以降は差が縮まり、いずれも観察研究のため授乳方法が成長を決めると断定はできません。
赤ちゃんの腸内細菌(マイクロバイオーム)は、発達や免疫と関係する?
赤ちゃんの腸内細菌は、免疫の育ちや発達と関連すると複数の総説・観察研究で報告されています。出産方法・母乳/ミルク・抗生物質などが細菌の構成に影響します。ただし関連であって因果関係が証明されたわけではなく、細菌を整えれば発達や病気を確実に左右できるという意味ではありません。
赤ちゃんのおなかの不調(吐き戻し・便秘)には、何が役立つ?
とろみをつけたミルクは吐き戻しを減らすのに比較的役立ち、母乳の継続やビフィズス菌は腸の調子に良い方向で関連する手がかりがあります。ただし不調の中身ごとに根拠の強さはまちまちで、多くは成長とともに自然に整います。気になる症状が続くときは小児科に相談してください。