手づかみ離乳(改良版)が食べる食品の幅と好みに与える影響
Impact of a Modified Version of Baby-Led Weaning on Dietary Variety and Food Preferences in Infants.
どんな研究?
01 — Summaryニュージーランドで約200組の赤ちゃんを、鉄不足などに配慮した手づかみ離乳のグループと、ふつうのスプーン離乳のグループにくじ引きで分けて比べた研究です。手づかみ離乳のグループは、生後7か月の時点で食べる食品の種類(とくに肉などのたんぱく質)が多く、2歳時点では果物・野菜の幅がやや広い傾向がありました。一方で、味や食感に対する好みの差はごくわずかでした。
要点
02 — Key points- 01ニュージーランドの約200組を対象にしたランダム化比較試験
- 02改良版の手づかみ離乳と、ふつうのスプーン離乳を比較
- 03手づかみ離乳のグループは生後7か月で食べる食品の種類が多めだった
- 042歳時点では果物・野菜の幅がやや広い傾向がみられた
- 05味や食感の好みの差はごくわずかだった
鉄不足や窒息に配慮した支援を手厚く受けた「改良版」の手づかみ離乳での結果で、自己流の手づかみ離乳に当てはまるとは限りません。2歳時点で食事記録を出せた家庭は半数で、データが偏っている可能性があります。1か国・1施設の研究で、日本の食事や習慣とは異なります。食べる食品の幅が広いことが、長期的な健康や好き嫌いの少なさにつながるかまでは確かめていません。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- ランダム化比較試験
- エビデンス強度
- ランダム化比較試験
- 掲載誌
- Nutrients
- 発表年
- 2018
- DOI
- 10.3390/nu10081092
- 出典
- Europe PMC
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related手づかみ離乳は乳幼児期の肥満リスクに関係する?:システマティックレビュー
手づかみ離乳(赤ちゃん主導の離乳食)が、ふつうのスプーン離乳と比べて子どもの体重の増え方や肥満のなりやすさに関係するかを、これまでの研究をまとめて調べたレビューです。8件の研究(ランダム化比較試験2件と観察研究6件、合計約2,900人)を集めましたが、手づかみ離乳のほうが体重の増え方がゆるやかだとする研究もあれば、はっきりしない研究もあり、結論はそろいませんでした。どの研究も偏りのリスクが中〜高く、現時点でどちらの方法がよいとは言えないとしています。
手づかみ離乳について、文献のシステマティックレビューが分かること
イタリア小児科学会のグループが、手づかみ離乳(赤ちゃん主導の離乳食)に関する研究をまとめて検討したレビューです。条件に合う12件(観察研究10件とランダム化比較試験2件)を集めましたが、調べている内容がばらばらで一つにまとめることはできませんでした。観察研究では、鉄やエネルギーが不足しやすい可能性や、窒息のリスクが心配されてきたと指摘しています。2件のRCTにも偏りの可能性があり、全体としてエビデンスの質は低いと結論づけています。
手づかみ離乳(鉄を意識した改良版)が鉄の摂取と状態に与える影響:ランダム化比較試験
ニュージーランドで約200組の赤ちゃんを、鉄不足を防ぐよう工夫した手づかみ離乳(赤ちゃん主導の離乳食)のグループと、ふつうのスプーン離乳のグループにくじ引きで分けて比べた研究です。毎食「鉄を多く含む食べ物」を出すよう保護者に助言したところ、生後7か月・12か月時点で、鉄の摂取量や血液中の鉄の状態に両グループで大きな差はみられませんでした。鉄不足のサインがある子の割合も同じくらいでした。