手づかみ離乳について、文献のシステマティックレビューが分かること
Baby-led weaning: what a systematic review of the literature adds on.
どんな研究?
01 — Summaryイタリア小児科学会のグループが、手づかみ離乳(赤ちゃん主導の離乳食)に関する研究をまとめて検討したレビューです。条件に合う12件(観察研究10件とランダム化比較試験2件)を集めましたが、調べている内容がばらばらで一つにまとめることはできませんでした。観察研究では、鉄やエネルギーが不足しやすい可能性や、窒息のリスクが心配されてきたと指摘しています。2件のRCTにも偏りの可能性があり、全体としてエビデンスの質は低いと結論づけています。
要点
02 — Key points- 0112件(観察研究10件・RCT2件)を集めたシステマティックレビュー
- 02研究内容がばらばらで、結果を一つにまとめることはできなかった
- 03観察研究では鉄・エネルギー不足や窒息のリスクが懸念されてきた
- 04含まれたRCTにも偏りの可能性があり、エビデンスの質は低い
- 05保護者に助言する際は未解決の点が多いことを踏まえる必要がある
まとめられた研究はデザインも調べた内容もばらばらで、結果を統合できていません。中心となるのは観察研究で、関連がみられても手づかみ離乳が原因とは言えません。鉄・エネルギー不足や窒息の懸念は、自己流で工夫なく行った場合のリスクとして指摘されたもので、適切な食材選びや見守りでどこまで減らせるかはこのレビューだけでは分かりません。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- システマティックレビュー
- エビデンス強度
- メタアナリシス
- 掲載誌
- Italian Journal of Pediatrics
- 発表年
- 2018
- DOI
- 10.1186/s13052-018-0487-8
- 出典
- Europe PMC
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related手づかみ離乳(鉄を意識した改良版)が鉄の摂取と状態に与える影響:ランダム化比較試験
ニュージーランドで約200組の赤ちゃんを、鉄不足を防ぐよう工夫した手づかみ離乳(赤ちゃん主導の離乳食)のグループと、ふつうのスプーン離乳のグループにくじ引きで分けて比べた研究です。毎食「鉄を多く含む食べ物」を出すよう保護者に助言したところ、生後7か月・12か月時点で、鉄の摂取量や血液中の鉄の状態に両グループで大きな差はみられませんでした。鉄不足のサインがある子の割合も同じくらいでした。
手づかみ離乳は乳幼児期の肥満リスクに関係する?:システマティックレビュー
手づかみ離乳(赤ちゃん主導の離乳食)が、ふつうのスプーン離乳と比べて子どもの体重の増え方や肥満のなりやすさに関係するかを、これまでの研究をまとめて調べたレビューです。8件の研究(ランダム化比較試験2件と観察研究6件、合計約2,900人)を集めましたが、手づかみ離乳のほうが体重の増え方がゆるやかだとする研究もあれば、はっきりしない研究もあり、結論はそろいませんでした。どの研究も偏りのリスクが中〜高く、現時点でどちらの方法がよいとは言えないとしています。
手づかみ離乳(改良版)が食べる食品の幅と好みに与える影響
ニュージーランドで約200組の赤ちゃんを、鉄不足などに配慮した手づかみ離乳のグループと、ふつうのスプーン離乳のグループにくじ引きで分けて比べた研究です。手づかみ離乳のグループは、生後7か月の時点で食べる食品の種類(とくに肉などのたんぱく質)が多く、2歳時点では果物・野菜の幅がやや広い傾向がありました。一方で、味や食感に対する好みの差はごくわずかでした。