スウェーデンの乳児の睡眠習慣調査:添い寝が増え、母乳育児と関連していた
Swedish survey of infant sleep practices showed increased bed-sharing and positive associations with breastfeeding.
どんな研究?
01 — Summary2018年に西スウェーデンで生まれた赤ちゃんの親に、生後3か月と6か月での寝る場所や姿勢を尋ねた大規模なアンケート調査です。生後6か月で大人と同じ寝床で寝る添い寝をしている割合は33%で、2003〜2004年の20%より増えていました。また、添い寝をしている家庭ほど母乳育児をしている割合が高い傾向がありました。ただし著者自身も、この関連が因果関係とは限らないと述べています。
要点
02 — Key points- 01生後6か月の添い寝は33%で、15年前(20%)より増加していた
- 02添い寝は母乳育児と正の関連がみられた(オッズ比1.5〜2.8)
- 03生後3か月では半数以上が親の部屋の別のベビーベッドで寝ていた
- 04アンケートに基づく横断的な調査で、関連の向き(どちらが原因か)は分からない
ある時点での状況を親のアンケートで集めた観察研究(横断研究)で、添い寝と母乳育児の「関連」を示すものであり、どちらかが他方の原因だと示すものではありません。回答率は38%にとどまり、回答した家庭にかたよりがある可能性があります。スウェーデンの状況であり、日本にそのまま当てはまるとは限りません。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- 観察研究(横断的なアンケート調査)
- エビデンス強度
- 観察研究
- 掲載誌
- Acta Paediatrica
- 発表年
- 2021
- DOI
- 10.1111/apa.15719
- 出典
- Europe PMC
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related乳児の添い寝と関連する要因
アメリカの大学病院で出産した母親1261人に電話で聞き取りをし、生まれて間もない赤ちゃんとの添い寝に関わる要因を調べた研究です。添い寝をしていたのは6.3%で、母乳育児をしている場合に添い寝が多く、ミルク(人工乳)育児やベビーベッドで寝かせている場合は添い寝が少ない傾向がありました。決まった寝床がない赤ちゃんで添い寝が多いことも分かりました。
睡眠の安全教育と段ボール製ベビーベッドの配布が、新生児の添い寝に与えた効果
アメリカの病院で、退院前に安全な睡眠についての教育を行い、さらに段ボール製の簡易ベビーベッドを配った母親と、それらを受けなかった母親で、生後1週間の添い寝の割合を比べた研究です。教育とベビーベッドを受けたグループのほうが添い寝が少なくなる傾向がみられ、とくに完全母乳の赤ちゃんで差が大きく出ました。赤ちゃんが別の寝床で寝ける環境を整える支援の可能性を示しています。
正期産・早産の新生児におけるおしゃぶりの使用と母乳育児 — システマティックレビューとメタアナリシス
おしゃぶりの使用が母乳育児の続けやすさと関係するかを、ランダム化比較試験だけを集めて分析した研究です。正期産の赤ちゃんでは、生後2〜6か月の時点で、おしゃぶりを自由に使うグループと制限したグループとで母乳育児の割合に大きな差は見られませんでした。早産の赤ちゃんでは、おしゃぶり(栄養を伴わない吸う動き)を使うと入院期間が短くなる傾向も報告されています。著者は、観察研究では「おしゃぶりを使う子は母乳をやめるのが早い」と見えても、比較試験ではそうした差は出ていないと整理しています。