子どものピーナッツアレルギー — 治療より予防が大切?
Peanut Allergy in Children-Is Prevention Better than Cure?
どんな研究?
01 — Summaryピーナッツアレルギーは子どものころに始まって一生続くことが多く、ときに重いアレルギー反応を起こします。この総説は、これまでの臨床試験や各国の指針をまとめ、特にアレルギーになりやすい赤ちゃんでは、ピーナッツを早めに食べ始めることが発症の予防に役立つと説明しています。あわせて、すでに発症した人への治療(免疫療法)の現状も整理しています。
要点
02 — Key points- 01ピーナッツアレルギーは幼少期に始まり、自然には治りにくく一生続くことが多い
- 02従来は「食べない(回避)」が中心だったが、近年は早めに食べ始める予防が重視されている
- 03特にアレルギーのリスクが高い赤ちゃんで、早期導入の予防効果が臨床試験で示されている
- 04発症後の選択肢として、少しずつ食べて慣らす免疫療法も研究が進んでいる
これは複数の研究を著者がまとめて解説した総説(ナラティブレビュー)で、研究を体系的に集めて統合したメタアナリシスではありません。導入の進め方や量・時期は個々の状況で異なり、特に湿疹や卵アレルギーのある高リスクの赤ちゃんは、始める前に医師に相談する必要があります。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- 総説(ナラティブレビュー)
- エビデンス強度
- 総説・その他
- 掲載誌
- Nutrients
- 発表年
- 2024
- DOI
- 10.3390/nu16193237
- 出典
- Europe PMC
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related食物アレルギーの予防 — 早めの導入だけでは終わらない
アレルギーになりやすい食品を遅らせて与える習慣が、食物アレルギーが増えた一因かもしれない、と著者は指摘します。多くの指針は生後4〜6か月ごろからの早めの導入をすすめていますが、この論説は「一度始めたら、その後も続けて定期的に食べること」が予防に同じくらい大切だと説明しています。家庭で始めるのが不安な家族には、診療所で導入を手伝う方法もあると提案しています。
離乳期に毎日卵を食べると、食物アレルギーの感作が減るかもしれない(南アフリカの乳児を対象としたランダム化比較試験)
生後6〜9か月の乳児500人を、毎日1個の卵を6か月間食べるグループと食べないグループにランダムに分けて、食物アレルギーのなりやすさ(感作)を比べた研究です。卵そのものへの感作は両グループでほとんど差がありませんでしたが、いくつかの代表的な食物への感作をまとめると、卵を食べたグループのほうが少ない傾向(7.5%対12.9%)がみられました。離乳期に卵を取り入れることが、食物アレルギーの予防に役立つ可能性を示しています。
離乳期にカシューナッツのペーストを取り入れることの安全性と実行可能性(ランダム化比較試験)
ピーナッツは早めに少しずつ与えるとアレルギー予防に役立つとされますが、木の実(ナッツ類)については試験が少ない状況でした。この研究では、生後6〜8か月の乳児を、カシューナッツのペーストを定期的に与えるグループと、とくに指示しないグループにランダムに分けて、安全に進められるかを調べました。週3回・小さじ1杯ほどを与える方法は無理なく続けられ、重いアレルギー反応も起きませんでした。逆に与えなかったグループの子に1歳時点でカシューアレルギーがみられました。