母乳に含まれるDHAは、お母さんの食事やサプリと関係するか(日本の母乳研究)
Association of DHA Concentration in Human Breast Milk with Maternal Diet and Use of Supplements: A Cross-Sectional Analysis of Data from the Japanese Human Milk Study Cohort.
どんな研究?
01 — Summary日本の母乳研究の一環として、母乳に含まれるDHA(オメガ3の一種で、子どもの神経の発達に重要)の量が、お母さんの食事やサプリの利用とどう関わるかを、78人の授乳中のお母さんで調べた研究です。魚介類をよく食べる人やDHAサプリを使う人ほど、母乳のDHA濃度が高い傾向が見られました。日本の母乳のDHAは歴史的に高めとされています。
要点
02 — Key points- 01日本の授乳中のお母さん78人を対象にした横断研究
- 02魚介類の摂取やDHAサプリの利用と、母乳のDHA濃度が関連
- 03日本の母乳のDHAは歴史的に高めとされる
- 04お母さんの食事が母乳の質に関わりうることを示す
対象は78人と少なく、ある一時点で調べた横断研究のため、因果関係や母乳のDHAが子どもに与える影響までは分かりません。食事は質問票による推定です。魚には水銀などの心配もあり、種類・量への配慮が必要です。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- 横断研究
- エビデンス強度
- 観察研究
- 掲載誌
- Current Developments in Nutrition
- 発表年
- 2020
- DOI
- 10.1093/cdn/nzaa105
- 出典
- Europe PMC
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related母親の魚の摂取と、母乳で育つ赤ちゃんの血中DHA(日本の研究)
脳の発達に重要とされるDHA(魚に多いオメガ3脂肪酸)が、母親の魚の摂取や授乳方法によって赤ちゃんの血中でどう違うかを、日本の生後5〜6か月の乳児268人で調べた研究です。母親が青魚・白身魚をよく食べているほど、また主に母乳で育っている赤ちゃんほど、血中のDHA濃度が高い傾向がありました。母親が魚を食べることが、母乳を通じて赤ちゃんのDHAに反映されることを示しています。
母親・乳児へのオメガ3(n-3)脂肪酸の補給と、子どもの運動・認知発達(最新のシステマティックレビュー・メタアナリシス)
魚などに多いオメガ3系脂肪酸(DHAなど)を、妊娠・授乳中の母親や乳児に与えると、子どもの発達によいかを、ランダム化比較試験47件をまとめて調べた研究です。乳児に直接補給したグループでは、乳児期の精神発達の指標やのちの知能(IQ)がわずかに高い傾向がみられ、母親が妊娠・授乳中に補給した場合は子どもの言語の力が高い傾向がありました。一方で、全体としての認知能力や運動発達の指標でははっきりした差は出ませんでした。
妊娠前・妊娠中・授乳中のオメガ3サプリと、子どもの発達(システマティックレビュー)
米国政府プロジェクトの一環として、妊娠前・妊娠中・授乳中のオメガ3(魚に多い脂肪酸)のサプリと、子どもの発達の節目(神経・認知の発達を含む)との関係を調べたシステマティックレビューです。妊娠中のオメガ3サプリは、子どもの認知の発達によい影響をもたらす可能性がある(限定的な確かさ)と整理されました。その他のアウトカムについては根拠が不十分でした。