母親の魚の摂取と、母乳で育つ赤ちゃんの血中DHA(日本の研究)
Impact of Maternal Fish Consumption on Serum Docosahexaenoic Acid (DHA) Levels in Breastfed Infants: A Cross-Sectional Study of a Randomized Clinical Trial in Japan
どんな研究?
01 — Summary脳の発達に重要とされるDHA(魚に多いオメガ3脂肪酸)が、母親の魚の摂取や授乳方法によって赤ちゃんの血中でどう違うかを、日本の生後5〜6か月の乳児268人で調べた研究です。母親が青魚・白身魚をよく食べているほど、また主に母乳で育っている赤ちゃんほど、血中のDHA濃度が高い傾向がありました。母親が魚を食べることが、母乳を通じて赤ちゃんのDHAに反映されることを示しています。
要点
02 — Key points- 01日本の生後5〜6か月の乳児268人を分析した研究
- 02母親が青魚・白身魚をよく食べると赤ちゃんの血中DHAが高め
- 03主に母乳の赤ちゃんはDHAが高め
- 04母親の魚の摂取が母乳を通じて赤ちゃんに反映される
ある時点を切り取った観察研究で、DHAの高さが発達によいかまでは示していません。魚には水銀も含まれるため、種類と量のバランスが大切です。授乳方法は各家庭の状況で選んでよく、ミルクにもDHAが添加された製品があります。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- 横断研究(ランダム化試験の付随解析)
- エビデンス強度
- 観察研究
- 掲載誌
- Nutrients
- 発表年
- 2023
- DOI
- 10.3390/nu15204338
- 出典
- OpenAlex
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related母乳に含まれるDHAは、お母さんの食事やサプリと関係するか(日本の母乳研究)
日本の母乳研究の一環として、母乳に含まれるDHA(オメガ3の一種で、子どもの神経の発達に重要)の量が、お母さんの食事やサプリの利用とどう関わるかを、78人の授乳中のお母さんで調べた研究です。魚介類をよく食べる人やDHAサプリを使う人ほど、母乳のDHA濃度が高い傾向が見られました。日本の母乳のDHAは歴史的に高めとされています。
DHA(オメガ3)の役割:人生最初の1000日の栄養(総説)
受精から2歳ごろまでの「最初の1000日」におけるDHA(オメガ3の一種で、脳や目の発達に重要)の役割をまとめた総説です。DHAはこの時期に欠かせない一方、実際の効果は、与える時期・量・もともとの栄養状態・早産かどうかなどによって変わると整理されています。DHA単独ではなく、別の脂肪酸(ARA)とのバランスが効果の鍵になりうると指摘されています。
母親・乳児へのオメガ3(n-3)脂肪酸の補給と、子どもの運動・認知発達(最新のシステマティックレビュー・メタアナリシス)
魚などに多いオメガ3系脂肪酸(DHAなど)を、妊娠・授乳中の母親や乳児に与えると、子どもの発達によいかを、ランダム化比較試験47件をまとめて調べた研究です。乳児に直接補給したグループでは、乳児期の精神発達の指標やのちの知能(IQ)がわずかに高い傾向がみられ、母親が妊娠・授乳中に補給した場合は子どもの言語の力が高い傾向がありました。一方で、全体としての認知能力や運動発達の指標でははっきりした差は出ませんでした。