きょうだいの生まれ順と子どものアレルギー(日本の全国出生コホート)
Impact of Birth Order on Paediatric Allergic Diseases: A National Birth Cohort in Japan
どんな研究?
01 — Summary日本で2010年に生まれた赤ちゃんの全国調査データを使い、きょうだいの生まれ順(第1子か、下の子か)と、ぜんそく・食物アレルギー・アトピー性皮膚炎との関係を9歳まで調べた研究です。生まれ順が後の子(上にきょうだいがいる子)ほど、食物アレルギーは一貫して少なくなりました。ぜんそくは乳児期には多めでも学童期には少なくなり、アトピー性皮膚炎は乳児期に多めという、病気ごと・年齢ごとに異なる関係がみられました。
要点
02 — Key points- 012010年生まれの日本の赤ちゃんを9歳まで追った全国出生コホート研究
- 02上にきょうだいがいる子ほど食物アレルギーが少ない傾向
- 03ぜんそくは乳児期に多めでも学童期には少なくなる
- 04アトピー性皮膚炎は乳児期に多めで、病気・年齢ごとに関係が異なる
観察研究のため、生まれ順そのものが原因とは言えません。背景には保育園通園や衛生環境、家庭の事情など多くの要因が関わります。アレルギーは保護者の申告にもとづき、生まれ順は変えられないものなので、予防のためにきょうだいを増やす・減らすという話ではありません。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- 全国出生コホート研究
- エビデンス強度
- コホート研究
- 掲載誌
- Clinical & Experimental Allergy
- 発表年
- 2025
- DOI
- 10.1111/cea.14626
- 出典
- OpenAlex
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related乳幼児期の抗菌薬と腸内細菌の変化、子どものアレルギーの関連(システマティックレビュー)
妊娠中から10歳までの抗菌薬の使用と、腸内細菌の変化、子どものアレルギー(ぜんそく・アトピー性皮膚炎・アレルギー性鼻炎)との関連を調べた研究をまとめたシステマティックレビューです。150万人以上を含む15件の研究の多くで、妊娠中や生後2年までの抗菌薬使用が、特にぜんそくやアトピー性皮膚炎のリスクの高さと関連していました。抗菌薬の種類・時期・期間が腸内細菌の乱れや発症に関わる要因として挙げられています。
乳幼児期の動物との接触と、子どもの湿疹・ぜんそく・アレルギー性鼻結膜炎(デンマークの大規模出生コホート)
デンマークの子ども約8万4千人を13歳まで追って、乳幼児期に犬・猫・鳥などの動物と接することが、湿疹(アトピー性皮膚炎)・ぜんそく・アレルギー性鼻結膜炎と関係するかを調べた研究です。全体として関連は弱く、犬との接触はわずかに湿疹やぜんそくが少ない傾向、一方で生まれる前の家の中の鳥との接触はぜんそくがやや多い傾向がみられました。関連の強さは、動物の種類や接触のしかた、親にアレルギーがあるかどうか、接触の時期によって変わっていました。
赤ちゃん・子どもの食物アレルギーの危険因子(システマティックレビュー・メタアナリシス)
40か国・約280万人を対象にした190件の研究をまとめ、子どもの食物アレルギーがどれくらい起こるか、何が関わるかを調べた大規模なレビューです。食べ物で症状を確かめた研究では、食物アレルギーはおよそ4.7%に見られました。最も確かな関わりが示されたのは、乳児期のアトピー性皮膚炎(湿疹)など、すでにあるアレルギー体質でした。