アレルギー性鼻炎における鼻と口の細菌叢:環境要因・細菌バランスの乱れ・免疫の乱れ
The nasal-oral microbiome axis in allergic rhinitis: environmental triggers, microbial dysbiosis, and immune dysregulation.
どんな研究?
01 — Summaryアレルギー性鼻炎と、鼻や口にすむ細菌のバランス、環境要因との関わりを整理した総説です。大気中の微小粒子(PM2.5)やディーゼル排ガスが鼻の粘膜のバリアを傷つけ、アレルギーに傾いた免疫反応を促す可能性が紹介されています。幼少期の抗菌薬使用は腸内細菌のバランスを乱して鼻炎の発症と関連しうる一方、農場での生活や多様な細菌への接触は予防的に働く可能性があると述べています。
要点
02 — Key points- 01環境要因と鼻・口の細菌叢の関わりを整理した総説(文献レビュー)
- 02大気中の微小粒子や排ガスが鼻の粘膜バリアを傷つける可能性
- 03幼少期の抗菌薬使用は鼻炎の発症と関連しうると指摘
- 04農場環境や多様な細菌への接触は予防的に働く可能性
- 05鼻炎では特定の細菌が増減し炎症と関わると考えられている
個々の研究を統一した基準で評価したものではなく、著者が文献を選んでまとめた総説(ナラティブレビュー)です。紹介された関連の多くは観察研究や基礎研究にもとづくため、原因と結果の関係(因果)を示すものではなく、メカニズムには未確定の部分が多く残っています。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- 総説(ナラティブレビュー)
- エビデンス強度
- 総説・その他
- 掲載誌
- Frontiers in Allergy
- 発表年
- 2026
- DOI
- 10.3389/falgy.2026.1799085
- 出典
- Europe PMC
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Relatedアレルギー性鼻炎の環境リスク要因は所得水準で異なる:世界ぜんそくネットワーク調査
世界の65地域で6〜7歳と13〜14歳あわせて約26万人を対象に、アレルギー性鼻炎の症状とその関連要因を調べた大規模な横断調査です。子どもでの有症率は8.5%、思春期では13.3%でした。乳幼児期の解熱鎮痛薬や抗菌薬の使用、思春期のたばこ使用、交通量の多い道路沿いの大型車の排ガスなどが、鼻炎症状と関連する傾向が示されました。関連の一部は国の所得水準によって違いがみられました。
乳幼児期の抗菌薬(抗生物質)の使用と、アレルギー性鼻炎(メタアナリシス)
生まれて間もない時期の抗菌薬(抗生物質)の使用と、子どものアレルギー性鼻炎(花粉症などの鼻のアレルギー)との関係を、多くの研究からまとめたメタアナリシスです。乳幼児期に抗菌薬を使ったことは、アレルギー性鼻炎と関連していました。ただし、抗菌薬の種類や量までは詳しく分かっていません。
帝王切開での抗菌薬を使う時間と、子どものぜんそく・湿疹・鼻炎のリスク(自然実験)
帝王切開のときに母親へ抗菌薬を投与する時間(赤ちゃんを取り出す前か、へその緒を切った後か)の違いで、子どもの5歳時点のぜんそく・湿疹・アレルギー性鼻炎に差が出るかを、英国の出生コホート約3,000人で調べた研究です。投与の時間による差はみられず、出産前に抗菌薬を受けた群でこれらのアレルギーのリスクが高まる証拠はありませんでした。