妊娠中の過度な体重増加と、子どものぜんそく・鼻炎・アレルギー感作のリスク(ポルトガルの出生コホート)
Excessive gestational weight gain and risk of asthma, rhinitis and allergic sensitization: Results from a Portuguese birth cohort.
どんな研究?
01 — Summary約7,300組の母子を追ったポルトガルの出生コホートで、妊娠中の体重増加や妊娠前のBMIが、子どものぜんそく・鼻炎・湿疹・アレルギー感作とどう関係するかを調べた研究です。妊娠中の体重増加が多い母親の子どもでは、鼻炎やぜんそく、アレルギー感作のリスクがやや高い傾向がみられました。一方、母親の過体重・肥満は湿疹のリスクの低さと関連するなど、病気によって向きが異なりました。
要点
02 — Key points- 01妊娠中の体重増加が多いと、子どもの鼻炎(4歳)のリスクがやや高い傾向(オッズ比約1.5)
- 02ぜんそくやアレルギー感作のリスクも、体重増加が多い群でやや高かった
- 03母親の過体重・肥満は、思春期の湿疹リスクの低さと関連した
- 04妊娠中の体重・妊娠前BMIで、関連する病気の種類が異なった
観察研究のため、関連を示すもので原因と結果(因果)の証明ではありません。診断の多くは保護者の自己申告に基づきます。海外(ポルトガル)のコホートで、日本の子どもにそのまま当てはまるとは限りません。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- 出生コホート研究
- エビデンス強度
- コホート研究
- 掲載誌
- Pediatric Allergy and Immunology
- 発表年
- 2026
- DOI
- 10.1111/pai.70357
- 出典
- Europe PMC
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related帝王切開での抗菌薬を使う時間と、子どものぜんそく・湿疹・鼻炎のリスク(自然実験)
帝王切開のときに母親へ抗菌薬を投与する時間(赤ちゃんを取り出す前か、へその緒を切った後か)の違いで、子どもの5歳時点のぜんそく・湿疹・アレルギー性鼻炎に差が出るかを、英国の出生コホート約3,000人で調べた研究です。投与の時間による差はみられず、出産前に抗菌薬を受けた群でこれらのアレルギーのリスクが高まる証拠はありませんでした。
出産時の母体のビタミンD値と、思春期早期のアレルギー(KLOTHO出生コホート)
出産時の母親と新生児の血中ビタミンD値を測り、その子どもが思春期(早期)になったときのぜんそく・アレルギー性鼻炎・湿疹との関連を調べた前向きコホート研究です。解析できた約100人の範囲では、母親のビタミンD値とアレルギー性鼻炎などのいずれにも、はっきりした関連はみられませんでした。人数が少ないため、結論は慎重に受け止める必要があります。
乳幼児期の動物との接触と、子どもの湿疹・ぜんそく・アレルギー性鼻結膜炎(デンマークの大規模出生コホート)
デンマークの子ども約8万4千人を13歳まで追って、乳幼児期に犬・猫・鳥などの動物と接することが、湿疹(アトピー性皮膚炎)・ぜんそく・アレルギー性鼻結膜炎と関係するかを調べた研究です。全体として関連は弱く、犬との接触はわずかに湿疹やぜんそくが少ない傾向、一方で生まれる前の家の中の鳥との接触はぜんそくがやや多い傾向がみられました。関連の強さは、動物の種類や接触のしかた、親にアレルギーがあるかどうか、接触の時期によって変わっていました。