アレルゲン食品を遅く始めても食物アレルギーは少なかった(シンガポールのGUSTOコホート)
Low Food Allergy Prevalence Despite Delayed Introduction of Allergenic Foods-Data from the GUSTO Cohort.
どんな研究?
01 — Summaryシンガポールの多民族の出生コホート(GUSTO、1152組)で、卵・ピーナッツ・甲殻類などのアレルゲン食品を始めた時期と、食物アレルギーの関係を調べました。多くの子が生後10か月以降と遅めに始めていましたが、12〜48か月の食物アレルギーの頻度は非常に低く(卵0.35〜1.8%など)、始めた時期とアレルギー発症との間に明確な関連は見られませんでした。
要点
02 — Key points- 01シンガポールの多民族コホート(GUSTO、1152組)
- 02多くの子がアレルゲン食品を生後10か月以降と遅めに開始
- 03それでも食物アレルギーの頻度は非常に低かった
- 04開始時期とアレルギー発症に明確な関連はなかった(アジアの集団)
観察研究のため、因果関係は示せません。アジア(シンガポール)の集団で、食習慣や体質が欧米と異なり、そのまま当てはまるとは限りません。アレルギーの頻度がもともと低い集団のため、関連が見えにくかった可能性もあります。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- 出生コホート研究
- エビデンス強度
- コホート研究
- 掲載誌
- The Journal of Allergy and Clinical Immunology: In Practice
- 発表年
- 2017
- DOI
- 10.1016/j.jaip.2017.06.001
- 出典
- Europe PMC
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related離乳食を始める時期と、食物アレルギー・湿疹・ぜんそく・アレルギー性鼻炎(システマティックレビュー)
米国政府(USDA・保健省)のプロジェクトの一環として、離乳食(母乳・ミルク以外の食べ物)を始める時期と、子どもの食物アレルギー・アトピー性皮膚炎(湿疹)・ぜんそく・アレルギー性鼻炎との関係を調べたシステマティックレビューです。離乳食を始める年齢と、これらのアレルギーの起こりやすさとの間には関係がない、という中くらいの確かさの結論が示されました。
韓国の学童における食物アレルギーの実態と、関連する要因(離乳食の開始時期など)
韓国の小・中学生約1万2千人を対象に、食物アレルギーの広がりやきっかけとなる食品、関連する要因を全国規模で調べた調査です。離乳食(補完食)の開始が生後7か月以降と遅かったことや、母乳のみの期間が長かったこと、アトピー性皮膚炎などが、食物アレルギーと関連していました。原因の特定ではなく、関連を示した横断的な調査です。
離乳期に毎日卵を食べると、食物アレルギーの感作が減るかもしれない(南アフリカの乳児を対象としたランダム化比較試験)
生後6〜9か月の乳児500人を、毎日1個の卵を6か月間食べるグループと食べないグループにランダムに分けて、食物アレルギーのなりやすさ(感作)を比べた研究です。卵そのものへの感作は両グループでほとんど差がありませんでしたが、いくつかの代表的な食物への感作をまとめると、卵を食べたグループのほうが少ない傾向(7.5%対12.9%)がみられました。離乳期に卵を取り入れることが、食物アレルギーの予防に役立つ可能性を示しています。