母乳育児と1歳児の睡眠時間:日本の大規模出生コホート(エコチル調査)
Breastfeeding and children's sleep duration at 1 year of age: A nationwide birth cohort - The Japan Environment and Children's Study.
どんな研究?
01 — Summary日本の大規模な出生コホート(エコチル調査)で、生後6か月までの授乳のしかたと、1歳のときの睡眠時間との関係を調べました。約8万3千組の親子のデータを分析したところ、最初の6か月に母乳で育てられた赤ちゃんは、ミルクだけで育った赤ちゃんに比べて、1歳のときに睡眠時間が短くなりにくい傾向がありました。
要点
02 — Key points- 01約8万3千組の親子を対象にした大規模な調査
- 02最初の6か月の母乳育児は、1歳での短い睡眠時間の少なさと関連
- 03母乳の栄養や腸と脳のつながり(脳腸相関)が関わっている可能性が考察されている
これは観察研究のため、母乳育児が睡眠を良くする直接の原因だと言い切ることはできません。睡眠時間は保護者の回答によるもので、家庭の生活習慣など他の要因も影響している可能性があります。母乳・ミルクの選択は家庭ごとの事情があり、優劣を決めるものではありません。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- 前向きコホート研究
- エビデンス強度
- コホート研究
- 掲載誌
- European Journal of Clinical Nutrition
- 発表年
- 2026
- DOI
- 10.1038/s41430-026-01718-1
- 出典
- Europe PMC
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related生後6か月と14か月の、赤ちゃんの気質・母乳育児・睡眠の関係
母乳育児や赤ちゃんの生まれ持った気質、妊娠中の母親のストレスが、乳児の睡眠とどう関わるかを調べた小規模な研究です。妊娠中の母親のストレス(ホルモン)が高いほど、生後6か月の睡眠時間が短い傾向がみられました。一方、生後6か月で母乳の回数が多いほど睡眠の質はやや低めという関連がありましたが、母乳と気質の組み合わせによる明確な効果は確認されませんでした。
妊娠中のお母さんの魚の摂取と、赤ちゃんの睡眠時間(エコチル調査)
日本の「エコチル調査」の約8.7万組の親子を対象に、妊娠中のお母さんの魚の摂取量と、1歳の赤ちゃんの睡眠時間との関係を調べました。魚をよく食べていたお母さんの子どもほど、1歳で睡眠が11時間未満と短くなりにくい傾向が見られました。魚に含まれるオメガ3が、赤ちゃんの神経の発達を通じて睡眠に関わる可能性が示唆されています。
妊娠中のお母さんの発酵食品の摂取と、赤ちゃんの睡眠時間(エコチル調査)
日本の「エコチル調査」の約7.3万組の親子を対象に、妊娠中のお母さんの発酵食品(みそなど)の摂取と、1歳の赤ちゃんの睡眠時間との関係を調べました。妊娠中に発酵食品、特にみそをよく摂っていたお母さんの子どもほど、1歳で睡眠が11時間未満と短くなりにくい傾向が見られました。腸内細菌と体内時計の関わりが背景にあると考えられています。