野菜の摂取を増やす取り組みの効果をまとめる(システマティックレビューの総覧)
Consolidating the evidence on the effectiveness of strategies to promote vegetable intake in priority settings: An overview of systematic reviews.
どんな研究?
01 — Summary野菜の摂取を増やすための取り組みの効果を、すでに発表された20件のシステマティックレビューを集めて整理した総覧です。取り組みによる野菜摂取の増加は平均で1日およそ8分の1皿分と小さく、学校での取り組み(最大で1日0.42皿分)や家庭での取り組みで比較的大きい傾向が見られました。約半数の研究では効果が見られず、複数の場を組み合わせた取り組みのほうが効果が大きい傾向でした。
要点
02 — Key points- 0120件のシステマティックレビューを集めて整理した総覧
- 02野菜摂取の増加は平均で1日およそ8分の1皿分と小さい
- 03学校や家庭での取り組みで比較的大きい傾向(最大で1日0.42皿分)
- 04約半数の研究では効果が見られなかった
- 05複数の場を組み合わせると効果が大きい傾向
もとになったレビューの結果を物語のようにまとめた総覧で、数値を統合した解析ではありません。効果の大きさは小さく、対象は各国の多様な場面で、日本の子どもにそのまま当てはまるとは限りません。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- システマティックレビューの総覧(ナラティブな要約)
- エビデンス強度
- 総説・その他
- 掲載誌
- Journal of Human Nutrition and Dietetics
- 発表年
- 2025
- DOI
- 10.1111/jhn.13398
- 出典
- Europe PMC
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related「行動のしくみ」を使った働きかけは、子どもの食事を改善する?(システマティックレビュー)
子どもがより健康的に食べられるように、人の「行動のしくみ」(ナッジ=そっと後押しする工夫)を使った取り組みが効果的かを、137件の取り組みをまとめて調べた研究です。こうした工夫の約7割で、子どもの食事に良い変化がみられました。とくに効果的だったのは、ごほうび(インセンティブ)、初期設定を健康的なものにする(例:標準を野菜つきにする)、置き場所など環境を変える工夫でした。一方、情報を伝えるだけの方法は最も効果が小さいものでした。
幼児期の食べ方のパターンと、その後の食事の質との関係(オランダのコホート)
オランダの出生コホート研究で、2552人の子どもの生後7か月から3歳までの食べ方のパターンと、10〜11歳のときの食事の質との関係を調べました。幼いころに果物・野菜などをよく食べるパターンの子は、10〜11歳でも同じような食品をよく食べる傾向があり、幼児期の食習慣がその後にもつながる可能性が示されました。
保育園・学校などの集団の場で果物・野菜を取り入れて子どもの食事を改善する(スコーピングレビュー)
保育園や学校など、子どもが集団で過ごす場で果物・野菜の摂取を増やす取り組みを幅広く集めて整理したレビューです。3〜7歳を対象に、高所得国で2012年以降に発表された114件の研究を取り上げています。くり返し出す(反復暴露)、食べ方を見せて手本になる(行動モデリング)、感覚を使った遊びなど、さまざまな方法が使われており、なかでも手本を見せることや感覚遊びの取り組みが成功しやすい傾向が報告されています。