生後1年以内にピーナッツを始めた赤ちゃんでの、別タイプの反応(FPIES)の頻度
The prevalence of peanut-triggered food protein-induced enterocolitis syndrome in a prospective cohort of infants introducing peanut in the first year of life.
どんな研究?
01 — Summaryアレルギー予防のためにピーナッツを早めに始める赤ちゃんが増えるなか、まれにFPIESという別タイプの消化管の反応が起きることが心配されていました。オランダで生後4〜11か月にピーナッツを始めた赤ちゃんを追ったところ、初めて与えた706人のうちFPIESが疑われたのはわずか2人(0.3%)でした。発症した子の多くは3歳までにピーナッツを食べられるようになっており、著者は「この反応を理由に早期導入を避ける必要はない」と述べています。
要点
02 — Key points- 01生後4〜11か月でピーナッツを初めて与えた706人のうち、FPIESが疑われたのは2人(0.3%)とまれ
- 02FPIESはじんましん等とは異なる、消化管に起こる別タイプの反応
- 03発症した子の約75%は3歳までにピーナッツを食べられるようになった
- 04著者は、まれな反応を理由に早期導入そのものを避ける必要はないとしている
これはアレルギーになりやすい赤ちゃんを追った前向きの観察研究(コホート)で、頻度を示すものであり早期導入の予防効果を検証したものではありません。オランダの一部の集団の結果で、人数も限られます。導入の進め方は、特に高リスクの赤ちゃんでは医師に相談してください。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- 前向きコホート研究
- エビデンス強度
- コホート研究
- 掲載誌
- Pediatric Allergy and Immunology
- 発表年
- 2025
- DOI
- 10.1111/pai.70058
- 出典
- Europe PMC
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related子どものピーナッツアレルギー — 治療より予防が大切?
ピーナッツアレルギーは子どものころに始まって一生続くことが多く、ときに重いアレルギー反応を起こします。この総説は、これまでの臨床試験や各国の指針をまとめ、特にアレルギーになりやすい赤ちゃんでは、ピーナッツを早めに食べ始めることが発症の予防に役立つと説明しています。あわせて、すでに発症した人への治療(免疫療法)の現状も整理しています。
LEAP研究 — ピーナッツを食べ続けたときの「守りの抗体」と遺伝の関係
ピーナッツを早めに食べ始めるとアレルギーを防げることを示した有名なランダム化比較試験「LEAP」の参加者を、遺伝子の面から調べた研究です。ピーナッツを食べ続けたグループでは、アレルギーを抑える方向に働くとされる抗体(IgG4)が増えていました。さらに、こうした守りの反応の出やすさには本人の遺伝的な体質も関係していて、早くから食べ続けることと遺伝の組み合わせが守りの反応を後押しすると考えられました。
食物アレルギーの予防 — 早めの導入だけでは終わらない
アレルギーになりやすい食品を遅らせて与える習慣が、食物アレルギーが増えた一因かもしれない、と著者は指摘します。多くの指針は生後4〜6か月ごろからの早めの導入をすすめていますが、この論説は「一度始めたら、その後も続けて定期的に食べること」が予防に同じくらい大切だと説明しています。家庭で始めるのが不安な家族には、診療所で導入を手伝う方法もあると提案しています。