韓国の子どものアレルギー性鼻炎の有症率:1995〜2022年の全国調査
The Prevalence of Allergic Rhinitis in Korean Children: Nationwide Surveys in the Periods 1995-2022.
どんな研究?
01 — Summary韓国で1995年から2022年にかけて行われた全国調査をもとに、子どものアレルギー性鼻炎の有症率の長期的な変化と関連要因を調べた研究です。鼻炎の症状を訴える子どもの割合はこの数十年で大きく増え、2022年には6〜13歳のおよそ45〜48%にのぼりました。両親にアレルギーの病歴があることやアトピー性皮膚炎の診断が、鼻炎の症状と関連していました。6〜7歳では乳児期の抗菌薬使用や男児であることも関連要因でした。
要点
02 — Key points- 01韓国の1万人以上の子どもを対象にした全国規模の横断調査(経年比較)
- 02鼻炎症状の有症率は数十年で増加し2022年は45〜48%
- 03両親のアレルギー病歴とアトピー性皮膚炎が一貫した関連要因
- 046〜7歳では乳児期の抗菌薬使用・男児が関連
- 05思春期では女児であることが関連要因だった
ある時点で症状と要因を同時に尋ねた横断調査のため、これらは関連であり原因と結果の関係(因果)を示すものではありません。症状は質問票による自己申告で、韓国の子どもを対象としており日本にそのまま当てはまるとは限りません。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- 横断研究(全国調査)
- エビデンス強度
- 観察研究
- 掲載誌
- Allergy, Asthma & Immunology Research
- 発表年
- 2025
- DOI
- 10.4168/aair.2025.17.6.754
- 出典
- Europe PMC
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Relatedアレルギー性鼻炎の環境リスク要因は所得水準で異なる:世界ぜんそくネットワーク調査
世界の65地域で6〜7歳と13〜14歳あわせて約26万人を対象に、アレルギー性鼻炎の症状とその関連要因を調べた大規模な横断調査です。子どもでの有症率は8.5%、思春期では13.3%でした。乳幼児期の解熱鎮痛薬や抗菌薬の使用、思春期のたばこ使用、交通量の多い道路沿いの大型車の排ガスなどが、鼻炎症状と関連する傾向が示されました。関連の一部は国の所得水準によって違いがみられました。
分娩時の予防的抗菌薬と子どもの健康(観察研究のシステマティックレビュー・メタアナリシス)
B群溶連菌(GBS)の予防のために分娩中に抗菌薬を使った母親と、使わなかった母親の子どもを比べた観察研究をまとめたメタアナリシスです。16件の研究を統合した結果、分娩時の抗菌薬は子どもの自己免疫関連の病気のリスクの高さと関連し、特にアトピー性皮膚炎で関連が目立ちました。子どものBMIはわずかに高めでしたが、乳児の腸内細菌の多様性には差がみられませんでした。
妊娠中の環境と子どものぜんそく:腸内細菌が橋渡しをする可能性
妊娠中のさまざまな環境(ペットとの接触、出産のしかた、抗菌薬の使用、母親の食事など)と、子どものぜんそくとの関連を、腸内細菌の役割に注目して8つの研究からまとめたレビューです。妊娠中にペットがいると子どもの腸内細菌が変わり、ぜんそくを起こしにくくなる可能性が示されました。一方、抗菌薬の使用や帝王切開はぜんそくが多いことと関連していました。腸内細菌がこれらの関連の橋渡しをしているかもしれないと考えられています。