乳幼児・小児の特別食が腸内マイクロバイオームに与える影響
Special Diets in Infants and Children and Impact on Gut Microbioma
どんな研究?
01 — Summary腸内細菌叢は早期から形成が始まり、分娩方法・抗菌薬使用・授乳形態・離乳食などが大きく影響します。食物アレルギー・セリアック病・先天性代謝異常など特定疾患をもつ子どもでは特別な食事制限が必要で、これが腸内細菌叢をさらに変化させる可能性があります。腸内細菌叢の乱れ(ディスバイオシス)は非感染性疾患や免疫異常のリスクと関連するとされています。
要点
02 — Key points- 01母乳育児や離乳食の時期・内容は腸内細菌叢の正常な発達に重要な役割を果たす
- 02特定疾患(食物アレルギー・セリアック病など)に伴う特別食は腸内細菌の多様性に影響を与える可能性がある
- 03腸内細菌叢の乱れは生涯にわたって非感染性疾患リスクと関連する可能性がある
これはナラティブレビューであり、システマティックな文献検索を行っていない。含まれる研究のデザイン・対象集団が多様であり、因果関係の推定には限界がある。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- ナラティブレビュー
- エビデンス強度
- 総説・その他
- 掲載誌
- Nutrients
- 発表年
- 2022
- DOI
- 10.3390/nu14153198
- 出典
- OpenAlex
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related離乳食を始める時期と、食物アレルギー・湿疹・ぜんそく・アレルギー性鼻炎(システマティックレビュー)
米国政府(USDA・保健省)のプロジェクトの一環として、離乳食(母乳・ミルク以外の食べ物)を始める時期と、子どもの食物アレルギー・アトピー性皮膚炎(湿疹)・ぜんそく・アレルギー性鼻炎との関係を調べたシステマティックレビューです。離乳食を始める年齢と、これらのアレルギーの起こりやすさとの間には関係がない、という中くらいの確かさの結論が示されました。
離乳期に毎日卵を食べると、食物アレルギーの感作が減るかもしれない(南アフリカの乳児を対象としたランダム化比較試験)
生後6〜9か月の乳児500人を、毎日1個の卵を6か月間食べるグループと食べないグループにランダムに分けて、食物アレルギーのなりやすさ(感作)を比べた研究です。卵そのものへの感作は両グループでほとんど差がありませんでしたが、いくつかの代表的な食物への感作をまとめると、卵を食べたグループのほうが少ない傾向(7.5%対12.9%)がみられました。離乳期に卵を取り入れることが、食物アレルギーの予防に役立つ可能性を示しています。
離乳期にカシューナッツのペーストを取り入れることの安全性と実行可能性(ランダム化比較試験)
ピーナッツは早めに少しずつ与えるとアレルギー予防に役立つとされますが、木の実(ナッツ類)については試験が少ない状況でした。この研究では、生後6〜8か月の乳児を、カシューナッツのペーストを定期的に与えるグループと、とくに指示しないグループにランダムに分けて、安全に進められるかを調べました。週3回・小さじ1杯ほどを与える方法は無理なく続けられ、重いアレルギー反応も起きませんでした。逆に与えなかったグループの子に1歳時点でカシューアレルギーがみられました。