出生前から就学前のノニルフェノール・ビスフェノールA曝露と幼児の神経発達
Prenatal to preschool exposure of nonylphenol and bisphenol A exposure and neurodevelopment in young children
どんな研究?
01 — Summary母親(妊娠27〜38週)と幼児(2〜3歳94人、4〜6歳56人)を対象に、尿中ノニルフェノール(NP)・ビスフェノールA(BPA)濃度と神経発達の関係を調べました。母親の尿中BPAが高いと女児の運動スコアが高い傾向があった一方、男児ではNP高濃度群でIQスコアが有意に低い可能性が示されましたが、男女で効果の方向が異なるなど一貫しない結果でした。
要点
02 — Key points- 01男児では幼児期の尿中NP濃度が高いほど、2〜3歳時点のIQ(FSIQ)が有意に低かった(β=-11.3)
- 02女児では母親の尿中BPAが高いほど運動スコアが高い傾向があり、男女で影響の方向が異なった
- 03結果が一貫しないため、NP・BPAの子どもの神経発達への影響は現時点では確定的ではない
観察研究のため因果関係は確認できません。サンプル数が最大94人と少なく、偶然の影響を受けやすい結果です。また、曝露は単時点の尿測定であり、長期的な曝露を正確に反映していない可能性があります。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- 横断的コホート研究
- エビデンス強度
- 観察研究
- 掲載誌
- Pediatrics & Neonatology
- 発表年
- 2023
- DOI
- 10.1016/j.pedneo.2023.04.011
- 出典
- OpenAlex
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — RelatedビスフェノールA(BPA)が神経系に及ぼす影響:最新レビュー
プラスチックや食品容器に含まれるビスフェノールA(BPA)は、脳の構造や分子レベルの変化を引き起こす可能性があることが、動物・細胞実験と疫学研究のレビューから示されています。BPAへの曝露は酸化ストレスや神経炎症、神経伝達物質への悪影響と関連しており、子どもでは注意欠如・多動症(ADHD)や自閉スペクトラム症、認知障害との関連が疫学研究で報告されています。ただし、因果関係の確立にはさらなる研究が必要とされています。
妊娠中・幼児期のビスフェノール・フタル酸曝露と思春期までの情緒・行動発達
オランダのGeneration R研究(1361組の母子)で、妊娠中や6歳時のビスフェノールA(BPA)とフタル酸代謝物の濃度と、3・6・10・14歳の情緒・行動問題の関連を調べました。全体的に多くの関連は統計的に有意ではありませんでした。ただし、いくつかのフタル酸代謝物は女児の自己報告の内向き問題や男児の外向き問題と弱い関連がみられました。BPAとの関連は認められませんでした。
妊娠初期のBPA・フタル酸曝露と乳児の社会性・言語発達:炎症の仲介役
妊娠初期にBPA(ビスフェノールA)やフタル酸(プラスチック可塑剤)に高く曝露した場合、赤ちゃんの社会性の発達や言語の発達スコアが低下する傾向がありました。この関連には、お母さんの炎症反応(TNF-α・IL-1βなど)が一部仲介役を担っている可能性が示されています。妊娠前のBMIによって影響の大きさが異なりました。