生後1000日間:腸内細菌叢の変化が食物アレルギーの発症に与える影響
The First 1000 Days of Life: How Changes in the Microbiota Can Influence Food Allergy Development
どんな研究?
01 — Summary妊娠から乳幼児期にかけての腸内細菌叢(マイクロバイオーム)の変化が食物アレルギーの発症に影響することを示したレビューです。ラクトバシラスやビフィズス菌が保護的に働く一方、クロストリジウムやブドウ球菌はリスクを高める可能性があります。帝王切開・抗菌薬・人工乳などの要因が腸内細菌叢を乱すことで、アレルギーリスクを高める可能性があります。
要点
02 — Key points- 01ラクトバシラス・ビフィズス菌は食物アレルギーから保護的に働く可能性があり、クロストリジウム・ブドウ球菌はリスクを高める可能性がある
- 02帝王切開・抗菌薬・人工乳などは腸内細菌叢を乱し、食物アレルギーリスクを高める可能性がある
- 03妊娠〜乳幼児期の「最初の1000日間」が腸内細菌叢形成の重要な窓
ナラティブレビューであり、観察研究が中心。因果関係の確立は難しく、腸内細菌叢介入の効果はまだ研究途上。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- ナラティブレビュー
- エビデンス強度
- 総説・その他
- 掲載誌
- Nutrients
- 発表年
- 2023
- DOI
- 10.3390/nu15184014
- 出典
- OpenAlex
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related乳児早期の腸内細菌叢の発達・抗生物質耐性遺伝子と周産期因子の関連
生後6か月間、赤ちゃんの腸内細菌は多様性が増しながら変化していきます。帝王切開で生まれた赤ちゃんは経腟分娩に比べて腸内細菌の多様性が遅れて増える傾向があり、バクテロイデス属が少ない状態が続きます。また体外受精(ART)で生まれた赤ちゃんでは生後42日時点で多様性がわずかに高い傾向が見られました。
ペットの犬と乳幼児の腸内細菌叢の共有:食物アレルギーへの影響
ペットの犬が家庭内の腸内細菌叢の共有を促し、乳幼児の腸内環境に影響を与える可能性を検討した研究です。犬を飼う家庭の乳幼児は腸内細菌の多様性が高まる傾向があり、これが食物アレルギーのリスクを下げる可能性があると述べています。ただし因果関係はまだ十分には示されていません。
腸内細菌叢がワクチン応答に与える影響:系統的レビュー
腸内細菌叢(腸内フローラ)の構成がワクチンへの免疫応答に影響する可能性を調べた30件の研究(うち乳幼児対象14件)をまとめました。ビフィズス菌などの善玉菌が多いとワクチンの効果が高まりやすく、一部の悪玉菌が多いと逆の傾向がある可能性があります。ただし研究の方法や対象が大きく異なるため、現時点ではまだ確定的な結論は出ていません。