父親の年齢単独および母親の年齢と組み合わせた場合と、周産期アウトカムとの関連:中国の前向き多施設コホート研究
Association of Paternal Age Alone and Combined with Maternal Age with Perinatal Outcomes: A Prospective Multicenter Cohort Study in China.
どんな研究?
01 — Summary中国の複数の病院で約1万6千件の単胎の出産を追い、父親の年齢と妊娠・出産時のさまざまなアウトカムの関係を調べた研究です。母親の年齢など他の要因を考慮して分析すると、多くの項目では関連が小さくなりましたが、妊娠糖尿病・帝王切開・早産・大きく生まれること(巨大児)では、父親の年齢が高いほどやや増える傾向が残りました。父親の年齢も母親の年齢と同じように、妊娠前のカウンセリングで考慮するとよいと著者は述べています。
要点
02 — Key points- 01約1万6千件の単胎出産を対象にした前向きの多施設コホート研究です。
- 02他の要因を考慮すると、妊娠糖尿病・帝王切開・早産・巨大児で父親の年齢との関連が残りました。
- 0330歳未満に比べ、年齢が高い群でこれらのリスクが3〜4割ほど高い傾向がみられました。
- 04リスクは父親の年齢がおよそ36〜40歳まで上がり、その後は横ばいになる傾向でした。
- 05父親の年齢も母親の年齢とともに考慮する価値があると示唆されました。
観察研究のため、関連が示されても父親の年齢が直接の原因だとは言えません。一部の地域・施設のデータであり、生活習慣や健康状態など測りきれない要因の影響も残ります。リスクの差は割合としては大きくなく、多くの出産は無事に経過します。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- 前向き多施設コホート研究
- エビデンス強度
- コホート研究
- 掲載誌
- Journal of epidemiology and global health
- 発表年
- 2024
- DOI
- 10.1007/s44197-023-00175-4
- 出典
- Europe PMC
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related父親の年齢と新生児のアウトカム:集団ベースのコホート研究
中国・広東省で約78万組の父・母・赤ちゃんの記録を調べ、父親の年齢と出産のアウトカムの関係を分析した大規模な研究です。父親が35〜44歳の場合、25〜34歳に比べて早産や帝王切開がやや多い傾向がみられ、年齢が上がるほど早産が増える関係も示されました。一方で、小さく生まれること(SGA)や赤ちゃんの死亡とは、はっきりした関連はみられませんでした。
母親の病気と赤ちゃんの発達の関係における、早産の橋渡しの役割
中国の病院で母子2,000組を対象に、妊娠中の母親の病気(妊娠糖尿病や妊娠高血圧など)と、赤ちゃんの体格や発達との関係を調べた観察研究です。母親の病気が赤ちゃんの発達に影響する経路に「早産」が間に入って働いている可能性を、統計的な手法(媒介分析)で調べました。妊娠糖尿病は早産を介して赤ちゃんの体格(BMI)に、妊娠高血圧は早産を介して新生児の神経・行動の評価に関連していました。
妊娠糖尿病の治療法を比べる(システマティックレビュー・メタアナリシス)
妊娠中に血糖が高くなる「妊娠糖尿病」に対する治療(薬・食事・運動)が、母親と赤ちゃんの経過にどう役立つかを、17件の研究をまとめて調べた研究です。食事や運動による生活面のはたらきかけは、妊娠中の体重の増えすぎや帝王切開を減らすことにつながりました。一方で、血圧や血中の脂質への効果ははっきりせず、研究ごとのばらつきも大きいものでした。薬・食事・運動を組み合わせた、一人ひとりに合わせた管理が大切だと結論づけています。