PFASの神経毒性メカニズム(有害結果経路):系統的レビュー
Adverse outcome pathway for the neurotoxicity of Per- and polyfluoroalkyl substances: A systematic review.
どんな研究?
01 — SummaryPFAS(フッ素系化合物・食品容器などに含まれる環境汚染物質)の神経毒性メカニズムを271件の研究から整理しました。PFASは酸化ストレス・神経炎症・細胞死などを引き起こし、最終的に認知・記憶障害・ASD・ADHD・神経運動発達障害などの悪影響につながる可能性があることが示されています。甲状腺ホルモンの乱れもメカニズムの一つとして特定されました。
要点
02 — Key points- 01PFAS曝露の分子レベルの主な引き金は活性酸素(ROS)の産生であり、神経炎症・細胞死へと連鎖する
- 02甲状腺ホルモン合成や受容体への影響も神経毒性に寄与する経路の一つ
- 03最終的な悪影響としてADHD・ASD・認知障害・神経運動発達障害などが挙げられた
多くの知見は動物実験や細胞実験に基づいており、ヒトへの直接適用には限界があります。個々のPFAS化合物によってメカニズムが異なる可能性があります。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- 系統的レビュー(有害結果経路解析)
- エビデンス強度
- メタアナリシス
- 掲載誌
- Eco-Environment & Health
- 発表年
- 2024
- DOI
- 10.1016/j.eehl.2024.08.002
- 出典
- Europe PMC
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related早期生命期のPFAS曝露と子どもの言語・コミュニケーション発達:システマティックレビュー
PubMed・Scopus・CINAHLを検索し、出生前・出生後のPFAS(有機フッ素化合物)曝露と子どもの言語・コミュニケーション発達の関連を調べた15件の研究をまとめました。一部の研究では有害な影響の兆候が見られましたが、子どもの性別・評価年齢・PFAS種類によって結果が一致しておらず、早期PFAS曝露が言語発達に与える系統的な影響は確認されませんでした。
妊娠中のPFAS曝露と5歳までの神経発達遅延:ホルモンによる影響の違い
中国の出生コホート(543人)を用いた研究で、妊娠中にPFAS(フッ素系化合物)にさらされると、子どもの3〜60か月の神経発達遅延(コミュニケーション・運動など)のリスクが高まる可能性があります。また、臍帯血中のホルモン(エストラジオール・プロゲステロン)の濃度によって、PFASの影響の大きさが異なる傾向が示されました。
妊娠中のビタミンD・マルチビタミン・葉酸補充と子どもの脳構造・ADHD/ASD傾向:Generation R研究
3937人の子ども(9〜11歳)を対象にした研究では、妊娠中のビタミンD補充・マルチビタミン摂取・食事の質が良いほど、子どものADHDやASD傾向が少ない傾向がありました。また、これらの妊娠中の栄養が子どもの脳の容量の大きさと関連し、脳の大きさが一部仲介役を担っている可能性が示されました。ただし効果の大きさは小さく、さらなる研究が必要です。