妊娠・授乳・小児期の魚介類由来有害物質への曝露と子どもの健康:スコーピングレビュー
Seafood Toxicant Exposure During Pregnancy, Lactation, and Childhood and Child Outcomes: A Scoping Review.
どんな研究?
01 — Summary妊娠中・授乳中・子ども自身の魚介類を通じた有害物質(水銀・PCB・鉛・PFASなど)への曝露と子どもの健康に関する81件の研究をまとめました。最も多く研究されているのは水銀と神経発達の関係で、十分な証拠があります。一方、魚介類摂取による栄養上のメリットと有害物質リスクのバランスを考慮した推奨が必要とされています。
要点
02 — Key points- 01水銀(メチル水銀を含む)と神経発達の組み合わせが最も研究されており、十分な証拠がある
- 02鉛・PCB・PFASなども神経発達に影響する可能性があるが、研究数は限られている
- 03子ども時代の魚介類由来毒素への曝露を調べた研究は少なく、今後の課題
スコーピングレビューのため系統的な質評価は行っていません。有害物質の種類によって研究数に大きな差があります。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- スコーピングレビュー
- エビデンス強度
- 総説・その他
- 掲載誌
- Advances in Nutrition
- 発表年
- 2025
- DOI
- 10.1016/j.advnut.2024.100353
- 出典
- Europe PMC
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related乳幼児期の重金属への曝露と神経発達への影響(システマティックレビュー)
妊娠中や乳幼児期の有害な重金属への曝露と、子どもの神経発達との関連を調べた研究68件(約21万人分)をまとめたレビューです。多くの研究が、妊娠中とくに早い時期の曝露で発達に悪影響が出やすいことを示していました。とくに鉛と水銀は認知・運動の面、鉛とヒ素は行動の面と関連がみられました。
妊娠中・子ども時代の重金属への曝露と、子どもの認知・運動・行動・こころの健康との関連
妊娠中や子ども時代のヒ素・カドミウム・鉛・水銀への曝露と、子どもの発達との関連を調べた前向きコホート研究77件をまとめたレビューです。これらの金属やその混合物への曝露が多いほど、認知・運動・行動・こころの健康によくない影響が出やすいことを、複数の国の研究が支持していました。影響の出方は子どもの性別で異なる可能性も示されています。
メチル水銀曝露と生後18か月の発達:東北子ども発達スタディ
日本の沿岸地域(三陸地方)の魚をよく食べる母子コホートで、妊娠中のメチル水銀曝露と生後18か月の子どもの発達(Bayley尺度)の関係を調べました。血中総水銀濃度が高いほど、18か月時点の精神運動発達(PSI)スコアが低い傾向が見られ、妊娠中の魚由来の水銀曝露が乳児期の運動発達に影響する可能性が示されました。