妊娠中の母親の血中鉛濃度と子どもの乳歯の虫歯有病率との関連
Association between maternal blood lead levels and prevalence of dental caries in the primary dentition of children.
どんな研究?
01 — Summary妊娠中の母親の血中鉛濃度と、子どもの乳歯の虫歯(齲蝕)との関連を調べた研究です。妊娠中に鉛に多く曝露した母親の子どもでは、乳歯の虫歯有病率が高い傾向が示されました。妊娠中に歯の胚が形成される時期に鉛が取り込まれ、エナメル質の発達を妨げる可能性があります。
要点
02 — Key points- 01妊娠中の母親の血中鉛濃度が高いほど、子どもの乳歯の虫歯有病率が高い傾向
- 02鉛は妊娠中の歯の胚形成期に影響し、エナメル質の発達を阻害する可能性がある
- 03妊娠中の重金属曝露を減らすことが子どもの口腔健康にも関連する可能性
観察研究であり因果関係ではない。血中鉛濃度の測定時期や虫歯の診断基準の詳細は研究設計による。食事・フッ素曝露などの交絡因子の調整が必要。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- 観察研究
- エビデンス強度
- 観察研究
- 掲載誌
- Environmental Health and Preventive Medicine
- 発表年
- 2025
- DOI
- 10.1265/ehpm.25-00188
- 出典
- Europe PMC
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related妊娠中の必須・有害元素へのばく露と乳児の発育パターンの関連
妊娠中の水銀・鉛・マンガンなどの金属への暴露が、生後18か月までの赤ちゃんの発育パターンとどう関連するかを783組の親子で調べました。母親の水銀・鉛への暴露量が高い男児ほど、標準より速い発育パターンを示す傾向がありました。乳児期の急激な体重増加は将来の肥満リスクと関連するとされており、金属ばく露が男児の発育に影響する可能性が示されました。
妊娠中の複合金属曝露と出生体重:日本・イランの2コホートによるベイズカーネル機械回帰分析
日本とイランの妊婦579人を対象に、妊娠16週前の血中ヒ素・銅・鉛・マンガン・セレン・亜鉛などの濃度と赤ちゃんの出生体重との関係を調べた研究です。複数の金属が複合的に存在するほど出生体重が低くなる傾向が示されました。妊娠可能な年齢の女性はできるだけ有害金属への曝露を避けることが推奨されています。ただし、観察研究のため因果関係の断定はできません。
母体の重金属曝露と川崎病との関連:日本環境と子どもの研究(JECS)
妊娠中の母体血液中の重金属(水銀・カドミウム・鉛・セレン・マンガン)と、生後1年以内の川崎病発症との関係を約8万5千組の母子データで調べた大規模コホート研究です。一部の重金属濃度と川崎病発症率との関連が検討されました。川崎病は原因が不明の急性血管炎で、幼児に多い疾患です。