観察研究

乳児期における便の動態と腸内マイクロバイオームの発達

Stool Dynamics and the Developing Gut Microbiome During Infancy.

どんな研究?

01 — Summary

生後3〜31か月の健康な乳幼児198名の便サンプルを分析し、排便間隔・採取時刻・睡眠からの経過時間・食事タイミングと腸内細菌の多様性や組成の関係を調べました。排便間隔が長いほど腸内細菌の多様性が高まる傾向があり、便のサンプリング時刻(日内変動)も特に低月齢では細菌組成に関連していました。また覚醒時間が長いほど低月齢で多様性が増す傾向も見られました。食事タイミングの影響は限定的でした。

要点

02 — Key points
  • 01排便間隔が長いほど腸内細菌の多様性が高い傾向があった
  • 02便のサンプリング時刻は特に低月齢乳児で腸内細菌組成と関連しており、日内変動が示唆された
  • 03食事タイミングは腸内細菌への影響が少なく、睡眠・排便リズムの方が重要である可能性がある
読むときの注意 / Limitations

横断的な観察研究のため因果関係は不明。便サンプルは単一時点のみで、個人内のばらつきを十分に捉えられていない可能性がある。腸内細菌の測定は16S rRNAシーケンシングであり解像度に限界がある。

この研究の確からしさ

03 — Evidence
観察研究ある時点の関連を調べる研究。関連=原因とは限らない。

書誌情報

04 — Reference
研究デザイン
横断観察研究
エビデンス強度
観察研究
掲載誌
Journal of Biological Rhythms
発表年
2026
DOI
10.1177/07487304251407313
出典
Europe PMC

この研究が関わる疑問

05 — Questions

関連する研究

06 — Related
2025 · 前向きコホート研究コホート研究

乳児早期の腸内細菌叢の発達・抗生物質耐性遺伝子と周産期因子の関連

生後6か月間、赤ちゃんの腸内細菌は多様性が増しながら変化していきます。帝王切開で生まれた赤ちゃんは経腟分娩に比べて腸内細菌の多様性が遅れて増える傾向があり、バクテロイデス属が少ない状態が続きます。また体外受精(ART)で生まれた赤ちゃんでは生後42日時点で多様性がわずかに高い傾向が見られました。

2024 · 系統的レビューメタアナリシス

腸内細菌叢がワクチン応答に与える影響:系統的レビュー

腸内細菌叢(腸内フローラ)の構成がワクチンへの免疫応答に影響する可能性を調べた30件の研究(うち乳幼児対象14件)をまとめました。ビフィズス菌などの善玉菌が多いとワクチンの効果が高まりやすく、一部の悪玉菌が多いと逆の傾向がある可能性があります。ただし研究の方法や対象が大きく異なるため、現時点ではまだ確定的な結論は出ていません。

2026 · システマティックレビュー(観察研究のまとめ)メタアナリシス

妊娠中の体重増加は赤ちゃんの腸内細菌に影響する?(観察研究15件のまとめ)

妊娠中の体重増加と赤ちゃんの腸内細菌の関係を調べた観察研究15件をまとめたシステマティックレビューです。母親の体重が増えすぎた場合、赤ちゃんの腸内細菌の多様性が下がりやすく、その影響が生後1歳ごろまで続く傾向がみられました。良い菌が減り、好ましくない菌が増える方向の変化も報告され、妊娠糖尿病が重なるとより目立つとされています。