母乳育児の開始を促す支援の効果:コクランレビュー
Interventions for promoting the initiation of breastfeeding
どんな研究?
01 — Summary28件のRCT(107,362人)をもとに、母乳育児の開始率を高める支援介入の効果をまとめたコクランレビューです。医療専門家による授乳教育・相談支援(低品質のエビデンス)や、非専門家のピアサポート(低品質のエビデンス)が授乳開始率を向上させる可能性が示されました。ただし結果は研究間で一貫しておらず、主に米国・低所得層での研究が多く他の集団への一般化には注意が必要です。
要点
02 — Key points- 01専門家による授乳教育・支援で授乳開始率が向上する傾向(RR=1.43)
- 02ピアサポーターや地域支援でも授乳開始率の向上がみられた(RR=1.22)
- 03結果の一貫性が低く、エビデンスの品質は低〜非常に低い
多くの研究でバイアスリスクが高い(割り付け隠蔽・盲検化の不備など)。主に米国・低所得層での研究で日本への直接適用は難しい。介入の内容が研究ごとに大きく異なる。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- システマティックレビュー・メタアナリシス
- エビデンス強度
- メタアナリシス
- 掲載誌
- Cochrane Database of Systematic Reviews
- 発表年
- 2016
- DOI
- 10.1002/14651858.cd001688.pub3
- 出典
- OpenAlex
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related産後早期の訪問支援スケジュールの効果:コクランレビュー
産後数週間の家庭訪問支援が母親と赤ちゃんの健康に与える影響を12件のRCT(11,000人超)で検討したコクランレビューです。訪問回数が多いほど乳児の健康サービス利用が減り、完全母乳育児の継続に役立つ可能性がある一方、母親の精神的健康への一貫した効果は確認されませんでした。個別化された産後ケアが産後うつスコアを低下させた試験も1件ありました。
授乳教育+WhatsAppフォローアップが乳児の授乳・成長・健康に与える影響:マレーシアでの準実験研究
マレーシアの6つの公衆衛生クリニックで500組の母子を対象に、構造化された授乳教育とWhatsAppによるフォローアップを組み合わせた介入の効果を検討した準実験研究です。介入群では生後6か月時点で完全母乳育児率が有意に上昇し、一部の感染症(胃腸炎など)発生率も低下しました。ただし、成長の軌跡(体重・身長など)への有意な効果は見られませんでした。
地域の仲間(ピア)による授乳支援の効果:システマティックレビュー・メタアナリシス
47件の研究をまとめたメタアナリシスにより、地域の仲間(ピアサポーター)による授乳支援が完全母乳育児の継続期間を延ばす効果を検討しました。低・中所得国では3〜6か月時点での完全母乳育児率が大きく向上し(約2〜9.5倍)、高所得国でも3か月時点で約2.6倍の向上がみられました。授乳開始や初乳のみの授乳(プレラクテアルフィーディング抑制)にも効果がある可能性がみられました。