健康な日本人乳児の腸内ビフィズス菌の変化:生後3年間の定量的評価
Evolution of gut Bifidobacterium population in healthy Japanese infants over the first three years of life: a quantitative assessment
どんな研究?
01 — Summary日本人の健康な乳児76人を対象に、腸内のビフィズス菌8種類の量を生後1日から3歳まで追跡した研究です。生後1日目にビフィズス菌を持つ赤ちゃんは約21%でしたが、3歳までにほぼ全員(100%)が保有するようになりました。帝王切開で生まれた赤ちゃんでは、ビフィズス菌の定着が遅れたり少なかったりする傾向がみられました。また、授乳方法もビフィズス菌の保有パターンに影響する可能性があることが示されました。
要点
02 — Key points- 01生後1日目はビフィズス菌保有率が約21%と低く、3歳までに100%に達した
- 02帝王切開で生まれた赤ちゃんはビフィズス菌の定着が遅れる傾向があった
- 03B. longum、B. breve、B. bifidum などが最も早く定着する種だった
日本の単一施設での観察研究であり、因果関係は示せない。サンプル数が76人と比較的少なく、一般化には限界がある。授乳方法の詳細な分類が不明な部分もある。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- 縦断的コホート研究
- エビデンス強度
- コホート研究
- 掲載誌
- Scientific Reports
- 発表年
- 2017
- DOI
- 10.1038/s41598-017-10711-5
- 出典
- OpenAlex
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related腸内細菌叢がワクチン応答に与える影響:系統的レビュー
腸内細菌叢(腸内フローラ)の構成がワクチンへの免疫応答に影響する可能性を調べた30件の研究(うち乳幼児対象14件)をまとめました。ビフィズス菌などの善玉菌が多いとワクチンの効果が高まりやすく、一部の悪玉菌が多いと逆の傾向がある可能性があります。ただし研究の方法や対象が大きく異なるため、現時点ではまだ確定的な結論は出ていません。
混合授乳と出産様式が加水分解シンバイオティクス調製乳の腸内細菌叢への影響を調整する:アトピーリスク乳児におけるRCT
アトピーリスクのある乳児342人を対象に、たんぱく質を分解したシンバイオティクス調製乳と通常調製乳の腸内細菌への影響を比較したランダム化比較試験です。加水分解調製乳は全体的な腸内細菌の種類への影響は限られていましたが、帝王切開で生まれた赤ちゃんや生後3か月未満に混合授乳をやめた赤ちゃんでは、ビフィズス菌優位の腸内環境になりやすい傾向が見られました。
乳児早期の腸内細菌叢の発達・抗生物質耐性遺伝子と周産期因子の関連
生後6か月間、赤ちゃんの腸内細菌は多様性が増しながら変化していきます。帝王切開で生まれた赤ちゃんは経腟分娩に比べて腸内細菌の多様性が遅れて増える傾向があり、バクテロイデス属が少ない状態が続きます。また体外受精(ART)で生まれた赤ちゃんでは生後42日時点で多様性がわずかに高い傾向が見られました。