混合授乳と出産様式が加水分解シンバイオティクス調製乳の腸内細菌叢への影響を調整する:アトピーリスク乳児におけるRCT
Mixed feeding and mode of birth modulate the effects of a hydrolyzed synbiotic formula on the gut microbiome in infants at risk of atopic disease
どんな研究?
01 — Summaryアトピーリスクのある乳児342人を対象に、たんぱく質を分解したシンバイオティクス調製乳と通常調製乳の腸内細菌への影響を比較したランダム化比較試験です。加水分解調製乳は全体的な腸内細菌の種類への影響は限られていましたが、帝王切開で生まれた赤ちゃんや生後3か月未満に混合授乳をやめた赤ちゃんでは、ビフィズス菌優位の腸内環境になりやすい傾向が見られました。
要点
02 — Key points- 01加水分解シンバイオティクス調製乳は腸内細菌全体の多様性への影響は小さかったが、帝王切開児と早期に混合授乳を中止した乳児でビフィズス菌の増加がみられた
- 02ビフィズス菌は乳児の腸の健康やアレルギー予防に関連するとされており、これらの赤ちゃんへの特定の調製乳の恩恵が示唆された
- 03出産様式と授乳パターンが調製乳の効果を左右することが確認された
アトピーリスクのある乳児を対象にした特定集団での研究であり、一般の乳児への外挿には注意が必要。腸内細菌の変化が実際のアレルギー発症予防につながるかどうかは本研究では確認されていない。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- ランダム化比較試験
- エビデンス強度
- ランダム化比較試験
- 掲載誌
- Clinical Nutrition ESPEN
- 発表年
- 2026
- DOI
- 10.1016/j.clnesp.2026.103338
- 出典
- OpenAlex
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related乳児早期の腸内細菌叢の発達・抗生物質耐性遺伝子と周産期因子の関連
生後6か月間、赤ちゃんの腸内細菌は多様性が増しながら変化していきます。帝王切開で生まれた赤ちゃんは経腟分娩に比べて腸内細菌の多様性が遅れて増える傾向があり、バクテロイデス属が少ない状態が続きます。また体外受精(ART)で生まれた赤ちゃんでは生後42日時点で多様性がわずかに高い傾向が見られました。
健康な日本人乳児の腸内ビフィズス菌の変化:生後3年間の定量的評価
日本人の健康な乳児76人を対象に、腸内のビフィズス菌8種類の量を生後1日から3歳まで追跡した研究です。生後1日目にビフィズス菌を持つ赤ちゃんは約21%でしたが、3歳までにほぼ全員(100%)が保有するようになりました。帝王切開で生まれた赤ちゃんでは、ビフィズス菌の定着が遅れたり少なかったりする傾向がみられました。また、授乳方法もビフィズス菌の保有パターンに影響する可能性があることが示されました。
帝王切開と1歳時の感染症リスクの関連:JECSの104,065件のデータ解析
日本環境と子どもの研究(JECS)の10万件以上のデータを使い、帝王切開で生まれた赤ちゃんが1歳時に感染症(中耳炎・上気道炎・下気道炎・消化管感染)にかかりやすいかを調べました。帝王切開で生まれた乳児は、中枢神経系感染症や特定の感染症のリスクが一部高い傾向が見られましたが、全体的なパターンは複雑でした。