WIC食品パッケージの改訂と子どもの発達:準実験的研究
The Revised WIC Food Package and Child Development: A Quasi-Experimental Study
どんな研究?
01 — Summary米国の妊婦・乳幼児支援プログラム(WIC)が2009年に食事ガイドラインに沿って改訂されたことで、子どもの発達に改善がみられるか検討しました。妊娠中にWICの改訂パッケージを受けた母親の子どもは、12か月時点の発達指標と24か月時点の認知スコア(Bayley Scales)が有意に高い傾向がありました。妊娠中の食事の質を支援することが、子どもの早期発達に関係する可能性が示されました。
要点
02 — Key points- 01妊娠中に改訂WICパッケージを受けた母親の子どもは、12か月時点の発達指標が改善した
- 0224か月時点のBayley認知スコアが有意に高かった(β=4.34, 95%CI: 1.11–7.57)
- 034〜6歳時点の成長や認知発達への効果は観察されなかった
準実験的デザインであり、ランダム化ではない。WICに参加する低所得層の子どもが対象で、他の集団への一般化には限界がある。抄録で方法の詳細(サンプルサイズ)が一部省略されている。米国のプログラムであり日本への直接適用は難しい。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- 準実験的研究(差の差分析)
- エビデンス強度
- コホート研究
- 掲載誌
- PEDIATRICS
- 発表年
- 2021
- DOI
- 10.1542/peds.2020-1853
- 出典
- OpenAlex
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related妊娠中の食事パターンと新生児・乳幼児期の神経発達との関連:スコーピングレビュー
妊娠中に地中海食や野菜中心の健康的な食事パターンをとると、赤ちゃんの脳の白質の成熟度が高く、2歳時点の発達スコアも良い傾向があることが示されました。反対に、加工食品が多い食事パターンは子どもの発達スコアの低さと関連していました。妊娠中の全体的な食事の質が脳の発達に影響する可能性があります。
セレンとDHAが妊娠中のメチル水銀による子どもの神経発達への悪影響を軽減する可能性:東北子ども発達研究(42か月時点)
東北子ども発達研究において、妊娠中のメチル水銀曝露が42か月(3歳半)時点の男児のIQを低下させる傾向が示された。一方、母親のDHA摂取量が高いと認知発達への影響が弱まる可能性が示唆された。魚は水銀を含む一方でDHAなどの栄養素も豊富であり、妊娠中の魚摂取には利益とリスクのバランスが重要であることが改めて示された。
妊娠中の発酵食品摂取と乳児の神経発達:日本子どもの健康と環境に関する全国調査
約7万3千人の妊婦を対象に、妊娠中の発酵食品(みそ汁・納豆・ヨーグルト・チーズ)の摂取量と、1歳時点の赤ちゃんの神経発達との関係を調べた大規模研究です。みそ汁や納豆の摂取が多いお母さんほど、赤ちゃんのコミュニケーション・微細運動・問題解決能力の遅れが少ない傾向がありました。ただし、これは関連であって、発酵食品が発達を直接改善するという証拠ではありません。