妊娠中の発酵食品摂取と乳児の神経発達:日本子どもの健康と環境に関する全国調査
Maternal fermented food intake and infant neurodevelopment: The Japan Environment and Children's Study.
どんな研究?
01 — Summary約7万3千人の妊婦を対象に、妊娠中の発酵食品(みそ汁・納豆・ヨーグルト・チーズ)の摂取量と、1歳時点の赤ちゃんの神経発達との関係を調べた大規模研究です。みそ汁や納豆の摂取が多いお母さんほど、赤ちゃんのコミュニケーション・微細運動・問題解決能力の遅れが少ない傾向がありました。ただし、これは関連であって、発酵食品が発達を直接改善するという証拠ではありません。
要点
02 — Key points- 01みそ汁と納豆の摂取が多い妊婦の赤ちゃんは、コミュニケーション発達の遅れが少ない傾向があった
- 02ヨーグルト摂取は個人・社会性の遅れのリスク低下と関連していた
- 03粗大運動の遅れとは関連が見られなかった
観察研究であり因果関係は示せない。食事の測定は自己申告の質問票に依存する。発酵食品に含まれる何が関係するのか(プロバイオティクス・栄養素・ライフスタイル全般)は不明。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- コホート研究
- エビデンス強度
- コホート研究
- 掲載誌
- Asia Pacific Journal of Clinical Nutrition
- 発表年
- 2024
- DOI
- 10.6133/apjcn.202401_33(1).0008
- 出典
- OpenAlex
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related妊娠中の食事パターンと新生児・乳幼児期の神経発達との関連:スコーピングレビュー
妊娠中に地中海食や野菜中心の健康的な食事パターンをとると、赤ちゃんの脳の白質の成熟度が高く、2歳時点の発達スコアも良い傾向があることが示されました。反対に、加工食品が多い食事パターンは子どもの発達スコアの低さと関連していました。妊娠中の全体的な食事の質が脳の発達に影響する可能性があります。
妊娠中の大気汚染と心理的ストレスの複合曝露が新生児の腸内細菌を介して神経発達に影響する
309組の母子を対象にした研究で、妊娠中に大気汚染と心理的ストレスに同時にさらされた母親の赤ちゃんでは、腸内細菌の構成が異なっていました。特に、腸内細菌の一種(ルミノコッカス属)が生後3ヶ月時点の神経発達スコアと関連しており、腸内細菌が妊娠中の環境要因と早期神経発達をつなぐ経路の一つである可能性が示されました。ただし、観察研究のため原因と結果の関係は確認できていません。
妊娠中の発酵食品摂取量と3歳時子どもの発達の関連:エコチル調査
エコチル調査の103,060名の妊婦を対象に、妊娠中の発酵食品(味噌・納豆・ヨーグルト・チーズ)摂取量と3歳時の子どもの発達遅延リスクとの関連を調べました。チーズの摂取量が多い妊婦の子どもでは発達遅延全体のリスクが低く、味噌・ヨーグルトの高摂取ではコミュニケーション遅延リスクの低下が示されました。一方、納豆の摂取との関連は見られませんでした。