出生前の揮発性有機化合物への曝露と12か月時点の神経発達との関連:日本子どもの健康と環境に関する全国調査
Associations between prenatal exposure to volatile organic compounds and neurodevelopment in 12-month-old children: The Japan Environment and Children's Study (JECS)
どんな研究?
01 — Summary日本の出生コホート研究で、妊娠中の母親の職業的・環境的な揮発性有機化合物(VOC)への曝露と、12か月時点の赤ちゃんの神経発達との関係を調べた研究です。一部のVOCへの妊娠中曝露が、12か月時点の神経発達の遅れリスク増加と関連していました。妊娠中のVOC曝露への注意が必要な可能性が示されました。
要点
02 — Key points- 01妊娠中の一部のVOCへの曝露は12か月時点の神経発達遅滞リスクの増加と関連していた
- 02職業的曝露と環境的曝露の両方を評価した
- 03AGS-3(日本語版Ages and Stages Questionnaire)を用いて発達を評価した
観察研究であり因果関係は示せない。VOC曝露の測定は自己申告や職業分類によるもので、個人の正確な曝露量を反映していない可能性がある。12か月という早い時点の評価であり長期的な影響は不明。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- 前向きコホート研究
- エビデンス強度
- コホート研究
- 掲載誌
- The Science of the Total Environment
- 発表年
- 2021
- DOI
- 10.1016/j.scitotenv.2021.148456
- 出典
- OpenAlex
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related妊娠中の揮発性有機化合物(VOC)への曝露と子どもの神経発達の関連
妊娠中の母親の尿中シアン化物代謝物(ATCAなど)が高いほど、2歳時の子ども(特に男児)の精神発達スコアが低い傾向がありました。1,3-ブタジエンやアクロレインなどの有害物質への曝露も90%以上の妊婦で安全基準を超えていました。ただし中国の単施設研究であり、因果関係はまだ確立していません。
妊娠中のフッ化物曝露は子どものこころの問題(内在化・外在化行動)と関連する?
スペインのINMAコホート研究において、妊娠中の母親の尿中フッ化物濃度が高いほど、8〜11歳の子どもにおける内在化(不安・抑うつ)および外在化(攻撃性など)の問題行動スコアが高い傾向が見られました。関連の大きさは小さく、フッ化物の神経発達への影響はまだ検討が必要な段階です。
揮発性有機化合物(VOC)の暴露と子どもの神経発達アウトカム:システマティックレビューとメタアナリシス
ベンゼン・トルエン・ホルムアルデヒドなどの揮発性有機化合物(VOC)への妊娠中から幼少期にかけての暴露が子どもの神経発達に与える影響を調べた系統的レビューとメタアナリシスです(2025年8月まで1,213件の文献を検索)。特定のVOCへの暴露が認知・行動・発達に悪影響を及ぼす可能性が示唆されていますが、化合物ごとのリスクはまだ十分に解明されていません。