幼児期から思春期にかけてのBMIと身長の変化軌跡:日本の全国出生コホート研究
Trajectory of body mass index and height changes from childhood to adolescence: a nationwide birth cohort in Japan
どんな研究?
01 — Summary日本の全国出生コホート(26,711人)を用いて、1.5〜15歳のBMIと身長の変化を追跡した研究です。15歳時点で肥満になる子どもは、幼児期から一貫してBMIが高く推移し、思春期にさらに急激に増加する傾向がありました。また、肥満の子どもは「アディポシティリバウンド(脂肪リバウンド)」の時期が早く、身長の伸びのピークも早い傾向がありました。
要点
02 — Key points- 0115歳時点で肥満になる子どもは幼児期から継続してBMIが高く、思春期に急増する傾向があった
- 02アディポシティリバウンド(BMIが最小になる時期)が早い子どもは、思春期以降に肥満・過体重になりやすい傾向があった
- 03身長の伸びのピーク(APHV)は肥満グループで早い傾向があった
観察研究のため因果関係は不明です。出生コホートへの参加者は自発的に登録しており、代表性に偏りがある可能性があります。BMIは身体計測から算出されますが、体脂肪量を直接測定したものではありません。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- コホート研究(縦断・出生コホート)
- エビデンス強度
- コホート研究
- 掲載誌
- Scientific Reports
- 発表年
- 2021
- DOI
- 10.1038/s41598-021-02464-z
- 出典
- OpenAlex
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Relatedインドの出生コホートにおける小児期中期の栄養の二重負担:縦断研究(2010〜2021年)
インドの都市部スラムで生まれた子ども251人を9歳まで追跡した研究です。2歳時点では約45%が低身長でしたが、9歳になると過体重・肥満が14.6%まで増加し、やせと肥満が同時に存在する「栄養の二重負担」が明らかになりました。お母さんのBMIの低さが、子どものやせと関連していました。
スクリーンタイムは子ども・思春期の心血管代謝リスクと関連する
デンマークの2つのコホート研究(合計1,000人以上)を用いて、子どもと思春期のスクリーンタイムと心血管代謝リスク(腹囲・血圧・コレステロール・血糖など)の関連を調べました。スクリーンタイムが1時間増えるごとに、子どもでも思春期でも心血管代謝リスクスコアが高くなる傾向が示されました。睡眠が短い子ではこの関連がより顕著でした。
妊娠中の金属ばく露と子どもの脂肪ピーク・脂肪リバウンドの関連:前向きコホート研究
妊娠中の17種の金属(アルミ・マンガン・水銀・鉛など)への暴露と、子どもが生後〜7歳にかけてBMIが最大になる「脂肪ピーク」とその後の「脂肪リバウンド」の関連を、2,718組の親子で調べました。アルミニウム・マンガン・水銀などが高い母親の子どもは脂肪ピーク・リバウンドの時期が早まり、将来の肥満や代謝異常のリスクが高まる可能性が示唆されました。性別による差があり、女児は男児より一部の金属に感受性が高い傾向でした。