分娩時の硬膜外麻酔と3歳までの子どもの神経発達との関連:日本子どもの健康と環境に関する全国調査
Association of epidural analgesia during labor with neurodevelopment of children during the first three years: the Japan Environment and Children's Study
どんな研究?
01 — Summary帝王切開なしの正期産の単胎児約10万人を対象に、分娩時の硬膜外麻酔と3歳までの神経発達との関係を調べた大規模研究です。硬膜外麻酔を受けた母親から生まれた子どもと受けていない子どもとの間で、神経発達の遅れに統計的に有意な差はほとんど見られませんでした。ただし、交絡因子の調整が不完全な可能性があります。
要点
02 — Key points- 01分娩時の硬膜外麻酔を受けた母親の子と受けていない子とで、3歳までの神経発達に明確な差は認められなかった
- 02対象は正期産・経腟分娩・単胎のみで、約10万人の大規模コホート
- 03硬膜外麻酔の子どもの神経発達への長期的な安全性が示唆された
観察研究のため因果関係は示せない。硬膜外麻酔を選択する母親と選択しない母親では背景が異なる可能性(選択バイアス)がある。硬膜外麻酔の用量や種類は統一されていない。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- コホート研究
- エビデンス強度
- コホート研究
- 掲載誌
- Environmental Health and Preventive Medicine
- 発表年
- 2022
- DOI
- 10.1186/s12199-022-01084-7
- 出典
- OpenAlex
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related出生前後の環境的リスクと1か月・3歳時の神経発達との関連:日本子どもの健康と環境に関する全国調査
約7万1千組の母子ペアを対象に、25種類の周産期リスク因子(まとめて「周産期最適度低下スコア」として評価)が3歳時点の神経発達障害(自閉スペクトラム症・知的障害・運動遅滞など)と関係するかを調べた研究です。リスク因子の数が多いほど神経発達障害のリスクが上昇し、帝王切開・高齢出産・硬膜外麻酔・新生児黄疸・アプガースコア低下などが個別のリスク因子として確認されました。生後1か月時点での親の発達への不安も、3歳の発達障害と関連していました。
帝王切開と神経発達障害の関連:日本子どもの健康と環境に関する全国調査
日本の約6万5千組の母子ペアを対象に、帝王切開で生まれた子どもの3歳時点の自閉スペクトラム症(ASD)・知的障害・運動発達遅滞との関連を調べた研究です。帝王切開で生まれた子はASDのリスクがわずかに高い傾向(調整オッズ比1.38)が見られましたが、知的障害や運動遅滞とは明確な関連はありませんでした。女児では帝王切開が運動遅滞とASDの両方と関連していました。
胎盤の病理所見が乳児の神経発達を予測する
258人の乳児を対象に、胎盤の病理学的所見と10〜40か月の神経発達との関連を調べた研究です。胎盤の炎症や血流障害などの病理所見が、乳児期の神経発達スコアと関連していることが示されました。胎盤の状態が子どもの神経発達の早期指標となる可能性が示唆されています。