災害後避難による子どもの肥満と血糖代謝異常
Obesity and glucose metabolism abnormalities by post-disaster evacuation
どんな研究?
01 — Summary東日本大震災から5年後の福島県のデータを用いて、避難区域に住んでいた子どもの肥満率と血糖代謝(空腹時血糖・HbA1c)の変化を調べました。対象となった小学生・中学生で肥満率が高く、一部で血糖代謝異常も見られ、避難生活に伴う生活習慣の変化との関連が考えられました。
要点
02 — Key points- 01震災から5年後も、福島の避難区域の子どもで肥満率が高い状態が続いていた
- 02一部の子どもで空腹時血糖・HbA1cの上昇が見られた
- 03長期にわたる避難生活が子どもの体格や代謝に影響している可能性がある
観察研究であり、避難以外の要因(食事・精神的ストレスなど)を分離して評価することは難しい。福島固有の文脈に基づくため、一般化には注意が必要。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- 観察研究(縦断的追跡)
- エビデンス強度
- 観察研究
- 掲載誌
- Pediatrics International
- 発表年
- 2022
- DOI
- 10.1111/ped.15400
- 出典
- OpenAlex
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related災害後の避難が子どもの肥満と肝機能異常に与える影響:福島健康管理調査
東日本大震災・福島原発事故(2011年)後の長期健康調査データを用いて、避難区域内に住んでいた6〜15歳の子どもにおける肥満・肝機能異常の推移を調べました。避難区域の子どもでは肥満・肝機能異常の割合が高く、この傾向は時間の経過とともに変化しましたが、避難生活による生活習慣の乱れとの関連が示唆されました。
10歳の子どもの将来の肥満リスクを予測するポイントシステム
日本の10歳の子ども1,504人を対象に4年間追跡し、将来の肥満(14歳時点)を予測するためのポイントシステムを開発しました。現在の体格(過体重か否か)に加え、夕食の時刻・睡眠時間・朝食摂取などの生活習慣が肥満リスクに関連しており、これらを組み合わせたスコアで将来の肥満をある程度予測できることが示されました。
ヨーロッパにおける親の関わりと子どもの生活習慣が子どもの過体重・肥満と関係する(Feel4Diabetesスタディ)
ヨーロッパ6か国の低社会経済地域に住む4〜12歳の子どもとその親7,397組を対象に、親の関わりや子どもの生活習慣と過体重・肥満の関係を調べました。親が子どもとあまり一緒に体を動かさない場合や、朝食を抜く・野菜果物ジュースを多く飲む・1日1時間以上の身体活動がない・スクリーン時間が長いといった子どもの習慣が、過体重・肥満のリスク増加と関連していました。