妊娠前後の食事の質と妊婦の血中重金属濃度の関連:日本環境と子どもの研究(JECS)
Periconceptional diet quality and its relation to blood heavy metal concentrations among pregnant women: The Japan environment and Children's study
どんな研究?
01 — Summary8万人超の妊婦を対象にした研究で、食事の質が高い(バランスの良い食事)とカドミウム・鉛の血中濃度が低い傾向がありましたが、水銀(Hg)は逆に高い傾向がみられました。野菜中心の健康的な食事は鉛やカドミウム曝露の軽減につながる可能性がある一方、魚を多く食べると水銀曝露が増える点に注意が必要です。
要点
02 — Key points- 01食事の質スコア(BDS・HEI-2015・DASH)が高いほど血中鉛・カドミウム濃度が低い傾向
- 02すべての食事の質スコアが血中水銀濃度と正の関連(高質な食事ほど水銀も高め)
- 03地中海式スコアで乳製品を有益な食品に分類すると鉛・カドミウムとの正の関連が減弱
観察研究であり因果関係は示せない。食事の質スコアと重金属曝露の関連は確認されたが、これが子どもの健康アウトカムに直結するかは別途評価が必要。食事頻度調査法による測定誤差の影響がある可能性がある。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- コホート研究
- エビデンス強度
- コホート研究
- 掲載誌
- Environmental Research
- 発表年
- 2023
- DOI
- 10.1016/j.envres.2023.115649
- 出典
- OpenAlex
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related乳幼児期の重金属への曝露と神経発達への影響(システマティックレビュー)
妊娠中や乳幼児期の有害な重金属への曝露と、子どもの神経発達との関連を調べた研究68件(約21万人分)をまとめたレビューです。多くの研究が、妊娠中とくに早い時期の曝露で発達に悪影響が出やすいことを示していました。とくに鉛と水銀は認知・運動の面、鉛とヒ素は行動の面と関連がみられました。
妊娠中・子ども時代の重金属への曝露と、子どもの認知・運動・行動・こころの健康との関連
妊娠中や子ども時代のヒ素・カドミウム・鉛・水銀への曝露と、子どもの発達との関連を調べた前向きコホート研究77件をまとめたレビューです。これらの金属やその混合物への曝露が多いほど、認知・運動・行動・こころの健康によくない影響が出やすいことを、複数の国の研究が支持していました。影響の出方は子どもの性別で異なる可能性も示されています。
出生前カドミウム曝露と子どもの発達:日本の子どもの健康と環境に関する全国調査(JECS)
日本の大規模コホート研究(JECS)を用いて、妊娠中の母親の血中カドミウム濃度と生後6か月〜2歳の子どもの発達遅延との関係を調べました。生後6か月・1歳・1歳半時点では、カドミウム濃度が高いほど発達遅延との関連が見られましたが、2歳以降は関連が消えることが示されました。