生後6か月間の完全母乳育児の実施率と関連要因:低中所得国ベトナムの調査
Prevalence of exclusive breastfeeding for the first six months of an infant's life and associated factors in a low–middle income country
どんな研究?
01 — Summaryベトナムで1072人の母親を対象に調査したところ、生後6か月間の完全母乳育児を実践していた割合はわずか14.2%でした。母の高学歴、出産直後の90分以上の肌と肌の接触(カンガルーケア)、妊娠中から完全母乳育児を意図していたこと、そしてミルクメーカーの広告への接触が少ないことが、完全母乳育児と関連していました。乳児用ミルクの広告への暴露が多いほど、完全母乳育児を実践する割合が低い傾向がみられました。
要点
02 — Key points- 01ベトナムでの完全母乳育児(生後6か月)の実施率は14.2%と低かった
- 02出産直後の90分以上の肌と肌の接触が完全母乳育児と強く関連(調整オッズ比7.69)
- 03ミルクメーカーの広告への接触が少ないほど完全母乳育児の実施率が高かった
横断研究であり、因果関係は示せない。母親の自己申告による想起に基づくため、回答バイアスの可能性がある。ベトナムの低中所得国の特定地域の結果であり、日本など高所得国への一般化には注意が必要。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- 横断研究
- エビデンス強度
- 観察研究
- 掲載誌
- International Breastfeeding Journal
- 発表年
- 2023
- DOI
- 10.1186/s13006-023-00585-x
- 出典
- OpenAlex
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related妊娠糖尿病の女性への母乳育児支援介入:系統的レビューとメタアナリシス
妊娠糖尿病(GDM)の女性は母乳育児の継続率が低い傾向があります。18件の研究を統合したところ、医療専門家による教育・生活支援・授乳準備の介入が、産後6週・3〜4か月・6か月時点での完全母乳育児率を約2倍に高める可能性が示されました。
出産前の搾乳(授乳前搾乳)が母乳育児に与える効果と安全性:系統的レビューとメタアナリシス
出産前に母乳を搾り貯めておく「授乳前搾乳(ABE)」の効果を調べた10件のランダム化比較試験(計1,672人)をまとめた研究です。ABEを行った母親は、産後72時間以内の授乳開始率が約4倍高く、産後3か月以内の完全母乳育児率も約5倍高い傾向がありました。授乳への自己効力感(自信)も有意に向上しました。一方、早産や新生児集中治療室への入室リスクには差がみられませんでした。
生後6か月間の完全母乳育児が熱性けいれんに与える効果:システマティックレビューとメタアナリシス
13件の研究をまとめたメタアナリシスで、生後6か月間の完全母乳育児を行った子どもは熱性けいれんのリスクが有意に低い傾向が示されました。完全母乳育児ではオッズ比0.65(95%信頼区間0.50〜0.85)と約35%リスクが低く、部分母乳育児でも低下傾向がみられました。ただし、このメタアナリシスに使われた研究は6件と少なく、さらなる研究が必要です。