妊娠中のPFAS曝露と就学前児の呼吸器感染症の関係:武漢コホート研究
The Association between Prenatal Exposure to Per- and Polyfluoroalkyl Substances and Respiratory Tract Infections in Preschool Children: A Wuhan Cohort Study.
どんな研究?
01 — Summary中国・武漢の527組の母子を対象としたコホート研究で、臍帯血中のPFAS(フッ素化合物の一種)濃度と4歳時点での子どもの呼吸器感染症(扁桃炎・かぜ)の関係が調べられました。複数のPFAS(PFDoDA、PFTrDAなど)が扁桃炎の発症やかぜの頻度と正の関連を示し、PFAS混合物全体としても扁桃炎や呼吸器感染の増加と関連していた可能性が示唆されました。
要点
02 — Key points- 01臍帯血中のPFDoDAが扁桃炎リスクと正の関連
- 02PFAS混合物全体として扁桃炎発症・かぜ頻度との正の関連が示された
- 03性別による交互作用は統計的に有意ではなかった
観察研究であり因果関係は示されない。対象が527組と比較的小規模で、中国の一都市のデータであり一般化に限界がある。呼吸器感染症の把握はアンケートによる自己申告で誤差が生じる可能性がある。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- コホート研究
- エビデンス強度
- コホート研究
- 掲載誌
- Toxics
- 発表年
- 2023
- DOI
- 10.3390/toxics11110897
- 出典
- Europe PMC
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related妊娠中のPFAS曝露と5歳までの神経発達遅延:ホルモンによる影響の違い
中国の出生コホート(543人)を用いた研究で、妊娠中にPFAS(フッ素系化合物)にさらされると、子どもの3〜60か月の神経発達遅延(コミュニケーション・運動など)のリスクが高まる可能性があります。また、臍帯血中のホルモン(エストラジオール・プロゲステロン)の濃度によって、PFASの影響の大きさが異なる傾向が示されました。
妊娠中のPFAS(有機フッ素化合物)曝露と胎児の発育の関連:前向き出生コホート研究
妊娠中の一部のPFAS(有機フッ素化合物の一種)への曝露が、超音波で測定した胎児の頭囲・大腿骨長・推定体重の小さめと関連する可能性が示されました。特にPFPeS・PFHxS・6:2 Cl-PFESAという物質で関連が見られましたが、多重検定補正後は一部の関連が弱まりました。ただし観察研究であり因果関係ではありません。
胎内でのPFAS(フッ素化合物)曝露と2歳児のヒストンメチル化の関連
臍帯血中のPFAS(フッ素化合物の一種:PFOA・PFNAなど)濃度が高いと、2歳時点の子どものヒストンメチル化パターンが変化することが、台湾の130人の出生コホートで示されました。PFASが胎児のエピジェネティクス(遺伝子スイッチ)に影響を与える可能性が示唆されますが、健康への長期的影響はまだ不明です。