牛乳アレルギーがある赤ちゃんへの母乳育児:世界アレルギー機構ガイドライン更新
World Allergy Organization (WAO) Diagnosis and Rationale for Action against Cow's Milk Allergy (DRACMA) guidelines update - X - Breastfeeding a baby with cow's milk allergy.
どんな研究?
01 — Summary牛乳アレルギーのある赤ちゃんに母乳を続ける際、母親が牛乳・乳製品を除去食する必要があるかどうかについて、現時点では高品質のエビデンスが不足しています。ナラティブレビューによると、母乳中に検出される牛乳タンパク質はごく微量であり、多くの場合は母親が除去食をとらなくても授乳継続が可能な可能性があります。母親が除去食を行う場合はカルシウムやビタミンDの補充が必要で、栄養士への相談が推奨されています。
要点
02 — Key points- 01母乳中の牛乳タンパク質は微量で、すべての授乳中の母親に除去食が必要なわけではない
- 02中等度〜重度の湿疹で牛乳に感作されている場合など一部のケースで2〜4週間の除去食トライアルが勧められる
- 03除去食を行う場合はカルシウム・ビタミンD補充と栄養士への相談が重要
ランダム化比較試験が不足しており、推奨の根拠となるエビデンスの質は低い。ナラティブレビューであり系統的な文献探索ではない。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- ナラティブレビュー(診療ガイドライン)
- エビデンス強度
- 総説・その他
- 掲載誌
- World Allergy Organization Journal
- 発表年
- 2023
- DOI
- 10.1016/j.waojou.2023.100830
- 出典
- Europe PMC
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related母乳育児と子どものアレルギー疾患との関連:エコチル調査
エコチル調査の約10万件のデータを分析した研究で、生後6か月間の完全母乳育児は気管支ぜんそくや鼻炎のリスクを下げる傾向がある一方、食物アレルギーのリスクはやや上昇する傾向が示されました。これらの関連は3歳以降には薄れていき、また男女差も見られました。
牛乳誘発性アレルギー性直腸炎の乳児における管理方針と耐性獲得の関連
牛乳たんぱくによる直腸炎(赤ちゃんの便に血が混じるアレルギー反応)と診断された乳児180人を対象に、どのような対処法が耐性獲得(牛乳を食べられるようになること)に関係するかを調べた後ろ向きコホート研究です。91%の赤ちゃんが最終的に耐性を獲得し、中央値で約31週後に達成されました。複数の食品を同時に除去したり、再導入を遅らせたりすることが耐性獲得を遅くする傾向がありました。
乳児期の授乳・離乳食の時期と子どものぜんそく・アレルギー疾患の関連
フィンランドの3,781人の子どもを5歳まで追跡したコホート研究。母乳育児の期間と補完食の導入時期が、ぜんそくや他のアレルギー疾患の発症リスクとどう関係するかを調べました。早すぎる補完食の導入が一部のアレルギーリスクと関連する傾向が報告されています。